TURN126 グスタフラインその二
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イタリン軍は今も寝ている、後方から動こうともしない。しかし補給物資だけはドイツ軍に無償で提供していた。それでドクツ軍の物資は豊富にあった。
特にワインと食料は豊富だった、その中からパスタを作りワインのコルクを開ける。そのうえで飲み食いをすると。
「美味いな」
「そうだな」
「イタリン軍はいつもこんなものを食ってるのか」
「デザートまであるぞ」
ジェラートもあった、しかも質量共に見事だ。
「ううむ、毎食好きなだけ食べてか」
「そして戦えというのか」
「イタリン軍、凄いな」
「羨ましい限りだ」
「全くだ」
驚く他なかった、ドクツ軍からしてみればだ。彼等は常に粗食だからだ。
「パンにしても柔らかいぞ」
「しかもこの白さと甘さは何だ」
ドクツ軍は固い黒パンである。
「肉料理も豊富だな」
「ソーセージやベーコンだけじゃないのか」
ドクツでは軍でなくともこういったものばかり食べる。
「ジャガイモが少ないことは残念だが」
「しかし凄い料理の種類と数だ」
「イタリン軍は補給はしっかりしていることは知っていたがな」
「これは確かに凄い」
「料理はいい」
「最高だ」
とにかくイタリン軍の美食に驚嘆しながら舌鼓を打っていた。彼等はイタリンにいられることに幸運さえ感じていた。
しかし戦争は続いている、枢軸軍はそのグスタフラインまであと一歩の距離にまで来ていた。
そしてその防衛ラインを見てだ、東郷はモニターの日本妹に言った。
「堅固な陣だな」
「そうですね、宙形を利用して上下左右にまんべんなくですから」
「堅固だ」
こう日本妹に話す。
「対潜対空設備も整っている」
「突破は難しいですね」
「普通にやればな」
「といいますと」
「これまでもそうだったがどれだけ堅固な防衛ラインでもだ」
「突破出来ないものはないですね」
「そんなものは有り得ない」
何をどうしても絶対に陥落しない要塞も突破出来ない防衛ラインも存在しないというのだ。東郷はこのことを熟知しているのだ。
「「だからだ」
「今もですね」
「そうだ、グスタフラインも突破する」
そうしてみせるというのだ。
「絶対にな」
「ではどうされますか?」
「ここはだ」
東郷は言う。
「一点集中がいつもだが」
「変えますか」
「後方に回ろう」
「後方に、ですか」
「そうだ、敵のな」
東郷は何でもないという顔で日本妹に述べる。
「そうする」
「ではここはどうされるのですか?」
「おや、問い返さないのか」
「いつもですから」
もう日本妹も東郷のことがわかっている、それで彼の作戦についての話にも驚くことなくこう返したのである。
「長官の作戦は」
「そうだな、それではな」
「はい、お聞かせ下さい」
「グ
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