第二十七話 亡国の王と王女
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セア達はダウンタウンから出て、商店街の方を歩いていた。
するとカイツと出会い話しかけてきた。
「セアさん。久しぶり!」
「ああ、カイツ久しぶりだな」
「隣の人、誰?」
セアは軽くアーシェの方を見て、セアはカイツに話しかけた。
「この人はアマリアって言って、これからガリフの里に行くんだよ」
「ガリフの里って・・・ケルオン大陸にある?」
「ああそうだ。で、俺や馬鹿弟子が護衛として一緒に行くんだ」
「すっげぇ! でもケルオン大陸って危ない場所なんだよね?」
「ああ、危険と言えば危険か。でも別に未開の地って訳じゃないんだからさ」
ケルオン大陸はバレンディア・オーダリアの両大陸に比べるとミストが不安定でヤクトが多い。
強力な魔物が多く、野蛮な亜人種もいるので確かに危険ではある。
「まぁ、ケルオン大陸って言ってもガリフの里があるのは北西部のバングール地方だからな。あそこはミストが安定していてそこにいるガリフ族も危険な存在じゃないし」
「へぇー。ガリフの里ってバンクール地方にあるんだね。知らなかった」
「まぁあまり知ってても意味無いからな」
そんな感じでカイツとセアは暫く話していた。
するとカイツが急に声を小さくして話しかけてきた。
「ねぇ、セアさん」
「なんだ?」
「ヴェインが帝都に帰っちゃたのって知ってる?」
「ああ」
「ヴェインが帰ったのを惜しむ人が結構多いんだ」
カイツの言葉を聞いたアーシェがなにか言いたそうにしていた。
セアはそれを認め、アーシェに小声で言った。
「黙っていてください」
「!」
アーシェにそう言うとセアはカイツの方を向き、会話を続ける。
「なんでだい?」
「だってヴェインが来てからラバナスタの暮らしはよくなったんだ。帝国兵も我が物顔でうろつかなくなったし」
「そうか」
「ねぇ、ヴェインって信じてもいいのかな?」
アーシェは激情に任せ反論しそうになるのを必死に自制する。
するとセアはカイツにこう言った。
「君が決めればいいんだよ」
「え?」
あまりに予想外な返答を聞き、カイツは首を傾げる。
「だってさ、他人に振り回される必要なんかないだろ? 周りがヴェインの事を信じてても君が信じられないなら信じなければいいし、逆でもそうだろ?」
「う、うん」
「ところでカイツ。ミゲロさんの店の手伝いしなくていいのか?」
「いっけね。忘れてた!」
そう言ってカイツは走り出した。
セアはカイツの後姿を見ながら声をかける。
「ミゲロさんや他のみんなによろしくな!」
「うん!」
その言葉が聞こえて直ぐカイツは人ごみの中に消えていった。
商店街を出て、バザーを歩いているとアーシェが話しかけてきた。
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