第四章
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第四章
「髪の毛緑色やったもんな」
「外人はグリーンかい」
「そんなわけあるか」
流石にそれはなかった。だが新庄は違うのだった。
「やっぱり宇宙人ちゃうか」
「神緑で外人やからな」
「なあ」
そしてこう言い合うのであった。
「訳のわからん奴や」
「ほんまやな」
そしてまた笑って彼を見るのだ。しかも彼は英語が喋れないのにこんなことまで言っていた。
「いや、感覚でわかるんですよ」
「感覚かい」
「マイアミをミアミと読む奴がかい」
英語に関してもこんな調子だった。
「不思議ですよね。僕英語わからないのに聞いていて話をしていたらわかるんですから」
「御前が一番不思議じゃ」
「どういう現象じゃ」
皆また思わず突っ込みを入れた。
「伊達をいだてって読んだりな」
「日本語すら怪しいのに」
怪しいどころではない。
「けれどメッツの皆には日本語覚えてもらってます」
「御前が英語覚えんかい」
「アメリカやろが」
また皆思わず突っ込みを入れた。
「そういうわけで頑張ってますんで。監督、そっちも頑張って下さいね」
「御前が頑張らんかい」
わざわざ言われた野村はまたしても悪態をつくのであった。
「ほんまにのう。あいつだけはわからんわ」
「けれどそのわりには監督」
「随分新庄については優しいんじゃないですか?」
「優しい?わしがか」
褒め言葉には悪態で返す、これが野村である。この時もそうだった。
「わしはあいつはなあ。見放しとるんや」
「そうなんですか?」
「言うても無駄や」
そのわりにはいつも言うのである。
「見ているだけや。そのアホぶりをや」
「そういうわけですか」
「まあ。あれや」
野村はまた言う。
「あのまま突き進むべきや、あいつは」
「そうなんですか」
「去勢なんかできる奴やあらへん」
何だかんだ言って認める言葉を言う。
「どうなるか。見せてもらうで」
「はあ。監督が言うんなら」
「それじゃあ」
こうして新庄は大リーガーとして有名になった。ところが三年目。また騒ぎを起こした。
「日本に戻ります」
「はい!?」
「また急に言うなこいつは」
「球団は日本ハムです」
しかもそのチームまで言う。言うまでもなく爆弾発言である。
「もうお話して決めましたから。フェラーリで北海道飛ばしますよ」
「って何時の間に決まったんや?」
「入団交渉とかまだの時期ちゃうんか?」
皆呆然としながらも何とか考えだした。
「今言うたらまずいんちゃうんか?」
「日本ハムのフロントもなあ」
当然日本ハム側も戸惑っていた。しかし新庄はそれでも爆弾発言を続けた。
「背番号は一ですから。格好いいですよね」
「また言うたわ、こいつ」
「だから言うたらあ
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