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錬金の勇者
7『シルバーフラグス』
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ンド》と呼ばれるオレンジギルドで、過去にも似たような事件を起こしているという事だった。ロザリアという名前の女がリーダーで、構成人数は十数人。グリーンプレイヤーであるロザリアが獲物を見繕い、稼げると判断したらそれとなく事前に決めたスポットに獲物を誘導し、《タイタンズハンド》のプレイヤーが強襲、PKしているらしい。

 SAOが始まってから一年たったころに、《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》という殺人(レッド)ギルド――もちろんSAOのプレイヤーに『レッド』などと言う分類は無い――が結成されて以来、殺人を行う者達が公から見ても増え始めた。さすがに殺人を専門とするギルドはラフコフ以外にはできていないように見えるが、窃盗や恐喝などの結果として、相手を殺してしまうオレンジも多く出現している。

 ヘルメスはロザリアが中層のとあるパーティーを次の標的としたようだという話を、情報屋のアルゴから聞いた。彼女は一体どのような伝手があるのかこういった情報にもかなり詳しい。早速そのパーティーが普段活動しているという三十五層《迷いの森》へと向かうことにした。

 《迷いの森》での捜索は困難を極めた。なぜならばこのダンジョン、その名の通りプレイヤーを《迷わせる》からだ。
 
 《迷いの森》はいくつかのエリアに分けられている。それぞれのエリアの端には、別のエリアとつながる道が存在しているが、この道は一定時間が経つと別のエリアに繋がってしまうのだ。簡易マップでは自分のいるエリアしか表示できないため、どのエリアとどのエリアがつながっているのかはそこそこの値段で売っている地図を見ないと分からない。

 当然ながらお目当てのパーティーがどこにいるのかもわからず、ヘルメスはいったん帰還するか、と地図を広げ、次のエリアへと踏み出した。

 そして――――そこで、いきなり剣戟の音を聞いた。プレイヤーとモンスターが戦っているらしい。ヘルメスは走り出す。

 剣戟の音がどんどん近くなっていく。視界が開けた時、そこで見たのは――――

 
 水色の小龍が、少女を守って消滅するところだった。恐らく彼女は《ビーストテイマー》と呼ばれるプレイヤーだ。死んでしまったのは使い魔モンスターだろう。ヘルメスはとっさに相手のモンスターを確認する。

「ドランクエイプ……」

 《迷いの森》で最強の通常モンスター、ドランクエイプ。大型の猿モンスターで、武器は棍棒など。中層では強い方だが、そこまでと言うわけでもない。しかしこのモンスターがこのダンジョン最強たるゆえんは、その特殊能力に有った。

 ひょうたんの様なものを持っている。あれの中に入っているのは、かなり強力な回復剤だ。ドランクエイプはHPがレッドゾーンに陥ると、スイッチして場所を入れ代わり、傷ついた仲間が回復するまで
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