棺桶
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」
レーサーが身の丈を遥かに超える大きさの棺桶を担いで帰って来ていた。
その棺桶には鎖が巻かれており、形は十字架だ。
「ひっ」
「棺桶!?」
「ティアの方が速いよーだっ!だって君のは魔法でしょ。ティアは自分の力だもんね!」
棺桶に怯えるウェンディ。
ハッピーは驚愕し、ルーは的外れた事を眉をつり上げて言い放つ。
「ウェンディ、ルーレギオス。お前達にはこの男を治してもらう」
「わ、私・・・そんなの絶対やりません!」
「僕だってやらないよっ!ティアにマジで怒られる!」
「そーだそーだ!・・・ってルー、そういう問題じゃないでしょ」
やっぱり的外れた事を喚くルーにハッピーは呆れながらツッコむ。
「いや、ウェンディ。お前は治す。治さねばならんのだ」
「またウェンディだけ・・・?」
そう言いながら、鎖を解く。
ルーが不思議そうに首を傾げて呟いた瞬間、棺桶が開いた。
「!」
その棺桶の中にいる青年を見て、ウェンディの表情が驚愕に染まった。
目を見開き、その目は信じられないものを映すように揺れる。
そこにいるのは、ウェットな青い髪の青年。
顔の右側に赤い紋章があり、着ている服はボロボロになっている。
「この男は『ジェラール』。かつて評議院に潜入していた。つまり、ニルヴァーナの居場所を知る者」
そう。
その青年の名は『ジェラール・フェルナンデス』。
かつては『ジークレイン』として評議院に潜入し、評議院を破壊した大悪党。
楽園の塔ではナツやティアと大激闘を繰り広げ、塔の崩壊と共に姿を消した、エルザの昔の仲間。
そして・・・ナツやティア、エルザにとっては因縁の相手でもある。
「ジェラールって・・・え?え!?」
「どういう事・・・?ジェラールって・・・あの・・・」
名前は知っているが面識のない2人は戸惑いを隠せない。
が、戸惑っているのは2人だけではない。
「ジェラール・・・」
「知り合いなの!?」
「えぇっ!?」
ウェンディは小刻みに震えながら、呟いた。
「エーテルナノを大量に浴びてこのような姿になってしまったのだ。戻せるのはうぬだけだ。恩人・・・なのだろう?」
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