第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第21話 誰が為に鐘は鳴る
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
昔を思い出していてね。高校生になってから、ヴィータ姉と一緒に過ごせなくて少しさみしいなあ、と)
(うれしいことを言ってくれるじゃねえか)
高校進学と同時に、彼女と通学できなくなった。
その理由は――身体にある。
(ヴィータ姉は、成長しないからなあ。成長しないヴィータ姉は、一部で大人気だったっけ)
(うるせえよ。あたしに嫌なことを思い出させるな。はやても変身魔法を解けばおなじだろうが)
ボクは、いまとおなじように常に変身魔法をつかっていた。
彼女も、変身魔法をつかえるが、常時展開することはできない。
向き不向きもあるが、常に人間(しかも成長した姿)に変身するためには、膨大な魔力と緻密な術式、それを運用する技術が必要だ。
いまでこそ、楽に大人モードでいられるが、必要に迫られ、最優先で努力した成果である。
(はやてちゃんは、必死に努力したものね。実際、高度な変身魔法を維持し続ける技術は、驚異的よ?)
(主はやては、努力家だからな。ヴィータも練習はしていたが、長時間の維持は難しかったようだ)
ある程度、ボクが身を守る術を会得し、社会的にも自由な行動が許されるようになってからは、家族と共に積極的に仕事をしていた。
単に依頼を受けるだけではなく、こちらからも、協力を積極的に申し込みもした。
(はやてが異常なんだよ。常に、変身魔法の維持に意識を振り分けながら、生活するんだ。あたしには無理だった)
(日常生活をしながら集中力を維持するためには、何事にも動じない精神が必要だ。主は、鋼の精神をお持ちでいらっしゃる)
シャマルが臨時保険医だったり、シグナムが臨時剣道顧問だったりするのは、その一環である。
駒王学園を職場に指定したのは、原作の舞台でとなることを「知っている」ためだ――ボクの護衛が表向きの理由だが、間違ってはいない。
(ボクが「鉄の女」とでもいいたいのかい、ザフィーラ?)
(いえ、そのような意味では断じて――)
わんこモードではないザフィーラをからかう。
合宿のときからザフィーラは人型でいることが多い。
いつもわんこモードで自宅警備にいそしむ彼が、立派になりやがって。
戸籍や金銭といった面で支援を受ける以上、必要以上に借りを作りたくなかったことが、協力を申し出た大きな理由だ。
ボク自身、どこかの勢力に肩入れするつもりはない。
マルチタスクで、家族とのコミュニケーションをしつつも、辺りに意識を巡らす。
魔王の妹が参戦するだけあって、このレーティングゲームは注目の的らしい。
大勢の悪魔たち――おそらくは上級悪魔だろう――が、観戦に来ていた。
「さて、事前の取り決め通りいくわよ」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ