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あかりの碁
プロローグ
奈瀬どこー?

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翌日から早速決めた作戦を実行するべく、行動に移す。
まず、朝ヒカルと学校に行くとき、それとなく駅前に碁会所があると教えておいた。
これで佐為が碁会所の住所を覚えていてくれるだろう。
これでヒカルもちゃんと行けるはず。

そして放課後、案の定ヒカルは碁会所に行った。
さて、私も行こうか。日本棋院に。

奈瀬とはそこで最初に会ったのだから、まずはそこから調べるのがベター。
私の2年先輩だから、今中2。既に院生であってもおかしくない。

そういえばそれ以外のこと覚えてないな。どこの中学だっけ。
まあ近くの中学全部探せば見つかるだろう。奈瀬って苗字は珍しい方だし。

多めに用意したお小遣いを使い、バスに乗って日本棋院を目指す。
12年越しだけど、通い慣れた道だから間違えることはない。普通に仕事場だったし。


さて、今回彼女を探すために用意した作戦は2つある。

一つは、事務方で聞いてみること。
本名がわかっているのだから、来ているか聞くことぐらいはできる。
まあ、個人情報保護の観点から聞けないかもしれないけど。

もう一つは、張り込み。
帰る時間がいつぐらいになるかは、自分もなったことがある以上わかる。
その時に狙って会えるようにすればいい。

さて、行こうか。作戦決行だ。まずは事務方で聞き込み、名づけて友達の妹作戦。


事務方の人を探し、早速聞いてみる。
困ってるような感じで、そして奈瀬と親しい感じで。

「すいません、明日美おねえちゃん、来ていませんか?」

「明日美?」

「あ、すみません。奈瀬、奈瀬明日美ですけど。来てますか?」

「ああ、調べてみるよ。
……ああ、来てる来てる。呼ぶかい?」

「いえ、必要ありません。おねえちゃんの邪魔はしたくないので。
下で待ってますから」

「ああ、わかった」

「ありがとうございました」

よし、特定完了。
ちゃんと院に来ていたらしい。いつ頃から来てるんだろうな。
しかし、名前すら聞かないとはセキュリティどうなってるんだろう。

そう思いつつ階下に降りて囲碁雑誌を買って読む。
すると巻末の読者投稿欄がすごかった。個人情報が逐一書いてある。
あまりのすごさにめまいがした。こんなの見たら広告とか送り放題だよね。

ああ、そうか。そういえば個人情報保護の観点、この時代にはなかったんだっけ。
バカがネットで犯罪告白して個人情報特定される事件が年数件ある時代とは違うんだ。

そう思っていると、

「ねえあなた、ここで何をしてるの?」

そう私に話しかける女性の声が聞こえた。
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