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路地裏の魔法少年
プロローグその4:知らない所で世界は回るんじゃね?
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わりじわりとグラインダを近づけて行くことにした。

 ≪いやああーーーーー!!!≫


 そんな時だった。

 ――ドンドンドン
 「五月蠅いよ!」と、お隣さんから苦情が来た。


 「「チィッ!!!」」
 俺達は多分物凄い形相で舌打ちをしていたに違いない……。



 と、まぁそんな事があった所で今までの出来事をおさらいしておこう。


 数日前、俺の家に兄貴からアイアン・ウィルとスティールスピリットが送られた。
 ほんでもって、丁度その日ユーノは念話を使って助けを求めていたそうである。
 本当ならばその時、リンカーコアを持つ俺達にもその声が届けられた筈なのだが、そうならなかった原因はまさにコイツらのせいであったという事だ。

 アイアン・ウィルが言うには、届けられた時点でコイツらは魔力(エネルギー)切れ一歩手前であり休眠モードに移行していたそうだ。
 で、その解除条件が外部からの魔力供給だったらしく、コイツらは手に取った瞬間俺達の魔力に反応して休眠モードを解除、魔力を蓄えつつ「自分達が不完全な状態である事を隠す為」に、所有者ごと普通の人間にしか見えないように偽装を行ったという訳である。

 でもって、ある程度魔力が溜まり、いよいよ活動可能となったので偽装を解除したのがまさに今日。
 そこにめちゃんこタイミング良く『ジュエルシード』によって凶暴化したチワワことブラック・モロが現れ、所有者の身を守る為に本来の姿を現したと言う訳である。

 なるほど、だいたい何となく分かった。
 問題は、何でそんな面倒くさい事をしたのかだ。

 「それで?訳を話す気になった?」

 ≪ぶっちゃけて言うとなぁ…訳って程のものじゃぁ無ぇんだ……ただ前の所有者から「そうするようにプリセットされた」だけなんだよ≫
 未だ亀甲縛りでぶら下げられるアイアン・ウィルはブラブラと振り子のように揺れながらそう答える。
 つまり何だ?前の持ち主の命令でそうなったってか?

 「前の持ち主って?」
 そう言った俺は嫌な予感がしていた。
 コレを持っていた人間に心当たりというか、大体の目星は付いていたからである。

 ≪持ち主ってお前さんもよぉーく知ってんだろうが≫
 あ、やつぱり。
 「ちなみに…名前は?」
 現実を認めたくない俺は、最後の悪あがきと言わんばかりにアイアン・ウィルに聞いてみた。

 ≪ったく仕方無ぇな、耳ぃかっぽじってよーく聞けよジャリどもぉ……この私と、ポンコツ野郎にお前達を守る様に命令し、小じんまるぃした段ボォーrrルにぶち込むという閉所恐怖症を恐怖のどん底に叩き込むようなサディスティックプルェイを要求しやがった前所有者のその名もなんと……『エーイ・ハッチロック』だ≫

 どちらさ
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