暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
06.戦王の使者
[6/9]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
城もようやく気付いた。
「姫柊に頼んでもいいのか? そんなことをして獅子王機関で問題になったりしないのか?」
「この場合、先輩から目を離すことのほうが問題になると思いますから」
古城のパートナーが決まったところでもうひとつ問題が発生した。
雪菜も古城もパーティーに着ていく服を持ち合わせていない。
「なんだ、この荷物?」
郵便受けに入っていた伝票に気づいて、足を止める。宅配用ロッカーに、荷物が届いている。
入っていたのは、平たい長方形の段ボール。
だが、三人はそこに記されていた差出人の名前を見て、愕然となる。
「獅子王機関?」
「そんな……どうして先輩宛に?」
獅子王機関からの届け物に、絶句する。
その段ボールの蓋に恐る恐る手をかけ、慎重な手つきで包装を剥がし、開封する古城。
箱の中には、光沢のある薄い布地が、丁寧に折り畳まれていた。あからさまに高級そうな生地。咄嗟になにか呪術でもかかっているのかと身構えるが、雪菜は黙って首を傾げる。
箱の隅に荷物の明細書を見つけて、古城はそれを拾い上げる。
その間に雪菜が、そっと布の端をつまみ持ち上げる。ふわりと広がったのはボリュームのあるフリルのスカート。一緒に折り畳まれた付属品が、落ちる。カップ付きのアンダードレスにシルクの下着。
「なんだこれ……オーダーメイドのパーティードレス一式? 身長百五十六センチ、B七六・W五五・H七八、C六〇……姫柊雪菜様、代金領収済み…………え?」
「は? え? あ……!?」
明細書に記された数字を読み上げた古城は、ふと顔を上げる。
赤面する雪菜。
気まずい沈黙が訪れる。この居心地の悪い空間を古城が打ち破った。
「えーと……Cか。意外にあるんだな。うん、見直した」
最低な言葉で……
「記憶をなくす前に言い残すことは、それだけですか、先輩
がた
(
・・
)
」
そうか、やっぱり俺も含まれてるんだ、と半分呆れたように呟く彩斗。
──その後、起きた出来事は言うまでもない。
アルデアル公ディミトリエ・ヴァトラーのクルーズ船は、
港湾地区
(
アイランド・イースト
)
に停泊している。
パーティーの開始時刻は午後十時。大勢の招待客たちが、船内へと乗り込んで行く。
「……
洋上の墓場
(
オシアナス・グレイヴ
)
……か。趣味が悪い名前だな」
船体に刻まれた文字に、古城は呆れたように呟いた。
「戦王領域がそれだけの権力を誇示するのが、目的なんだと思います」
雪菜が冷静な口調で解説。
古城は雪菜を見ながら解説を聞こうとするが、雪菜が古城に銀の槍の穂先を向ける。
「すみません。身の危険を感じて、思わず」
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ