暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
06.戦王の使者
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心配要らないって!」

「どうしてそんなことが言い切れるんですか!?」

 余裕がないような雪菜に、古城と彩斗は互いの顔を見合わせて言うべきか言わぬべきか考えて、彩斗が口にする。

「いや……姫柊の今の格好で、雪霞狼を振り回してたら、痛いコスプレ趣味の女の子だと思われる」

「う……ぐ……」

 自分の格好を見て、雪菜は反論できずに沈黙する。

「なあ。姫柊のその服ってもしかして──」

「衣装合わせの途中で抜けてきたんです。あんまりじろじろ見ないでください」

 プリーツスカートの裾を押さえながら雪菜は、上目遣いで古城を睨む。

「いやでもスパッツ穿いてんじゃん」

「それでも先輩は見ては駄目です。目つきがいやらしいです」

「失礼だな、おい」

「ってか、その言い方だと俺は見てもいいのかよ?」

「緒河先輩なら少しならいいですよ」

 それは、俺が受け入れられているということか、と美少女にそんなこと言われてテンションが上がった彩斗だった。

「緒河先輩は……その……ロリコンですから……」

「まだ誤解してたのかよッ!!」

 思わず大声を出してしまった。
 雪菜にロリコンの疑いをまだかけられたままだと知ってしまった彩斗は俯く。
 すると地面になにか落ちているを見つける。

「なあ、さっきの術式って手紙を届ける術とか言ってたよな」

「はい、そのはずですけど」

「だったらこれが古城宛の手紙じゃねぇのか?」

 そう言って彩斗は地面に落下している真新しい封書を拾い上げる。金色の箔押しが押された豪華な封筒。それを古城へと渡す。
 そこに刻まれたスタンプに気づいて、雪菜が表情を強張らせる。

「この刻印……まさか……」

「「姫柊?」」

 明らかに動揺している雪菜。

「この手紙、なにか心当たりでもあるのか? 俺もなんか嫌な気配がするんだが……」

「はい……ですけど、そんなはずは……」

「蛇と……剣……」

 蛇と剣を模した紋章。それはどこか不穏な何かをまとっている。
 三人は封書を見下ろしながら、雪菜の言葉を待つ。

「──古城?」

 その時、聞き覚えのある声が聞こえる。
 建物の陰から顔を出す。華やかな顔立ちの女子生徒。

「こんなところでなに騒いでんのよ。あんたがいつまでも練習に来ないから、捜しに来てやったのよまったくあたしをあんなカップル時空に置き去りにするとはいい度胸……」

「あ、浅葱?」

 ノースリーブのポロシャツと、かなり短い純白のスコートを着た浅葱。
 この場に来ては、行けなかった人物だ。

「こりゃ、まずいな」

 放課後の体育館の裏。位置的に姫柊と古城が向き合っているせ
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