最後の戦。そして───。
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・・・》だろうな・・・」
アルモニーの後ろには扉が出現し、開く彼女がいた。
「シオン・・・」
「どうした、お化けでも見たか?」
扉の向こうにいたのは、俺が愛した人だった。
「エリー・・・」
「シオン!!」
エリーは俺に抱きついた。
「バカッ!心配したんだから!!」
「ハイハイ、悪い悪い・・・」
俺はいつも通りエリーをなだめた後、アインクラッドを見る。
崩壊はもう七割ほど終わっていた。
「エリー、最後までありがとな・・・」
エリーの頭を撫でながら言った。
エリーも俺の頬に手を添えて言った。
「私もシオンにお礼が言いたい、でも、それは感謝してもしきれないから・・・」
エリーは俺の唇にキスをした。
「これで、全部にしてあげる♪」
その笑顔は本当にいとおしいものだった。
「ああ、そういうことにしといてやるよ」
そして、次にエリーに問う。
「最後に聞かせてくれ、君の名前を」
エリーはこう答えた。
「私の、名前は・・・」
その名前は───。
「雪宮・・・雫。今年で18歳よ」
「そっか・・・」
「シオンの本当の名前は?」
その問いに俺は思う。
ある時はグラウンドで走り回っていた少年、時が経てば病院のベッドで黄昏て、死ぬ気でリハビリしている自分、そしてここで過ごした二年間・・・。
そのすべてが俺であり、これからも変わらない。
そう、俺の名前は───。
「───雪羅。高嶺雪羅18だ」
「高嶺・・・雪羅・・・ふふっ。まさか、両方とも名前に“雪”が付くなんてね」
「それに、まさか同い年とはな。てっきり年上かと・・・」
「・・・ありがとね、私シオンに、雪羅に会えてよかった。この二年間は無駄にならなかったよ」
「俺もだ、お前に会えて、本当に良かった」
そう言って、俺はエリーを、雫を抱きしめた。
「・・・愛してる」
「うん・・・」
俺は雫から離れると、アルモニーの方へ歩み寄った。
「いいのかい、彼女と一緒じゃなくて?」
「最後にお前に言っておきたくてな・・・。アルモニー、お前───」
俺の言ったことにアルモニーは少し驚きの表情を浮かべたが、またいつもの表情に戻った。
「どうやら、気づかれてたようだね」
「まあな、でも、俺をここまで導いたのはお前の助けあってこそだ、感謝してる・・・」
「よしてくれ、私はそんな・・・」
お前は拳を前に突き出した。
「またな、アルモニー・・・」
「・・・ああ、またどこかで」
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