03 「叔母と、相棒?」
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」
「私が誘ったのはショウだけでなく君もだよ」
「私も?」
「ああ、君にも話があるのでね。では行くとしようか。あぁもちろん、私の奢りだから安心していい」
「それならば断る理由はありませんね。夜月翔、行くとしましょう」
このへんがスタークスとは似ていない部分だと思う。彼女は俺と違って意外とノリがいいというか、茶目っ気がある子なのだ。
移動し終わった俺達は、それぞれ注文した。レーネさんのおごりだが、食事を取る時間でもないため全員飲み物だけだったが。
「ショウにファラ、改めてお疲れ様。日に日に取れるデータも良くなってきているよ」
「私とマスターですから」
「ふふ、それもそうだね。その調子でこれからも頼むよ」
「はい」
話す相手によって口調が変わるところもファラの人間らしさを証明するところかもしれない。そこに隣に座っているスタークスも興味を抱いたのか、ファラのことを凝視している。初対面でされていたら、圧力のようなものを感じていてもおかしくないほどに。
レーネさんはコーヒーを一口飲んだ後、視線をこちらからスタークスへと移した。スタークスもそれに気づいて視線を向ける。
「もう良いのですか?」
「いつ呼び出しがあるか分からないからね。先に大事な話を済ませておきたいんだよ」
「レーネさん……」
「あぁ別に席を外す必要はないよ。というか、外されるのは困るね。君にも関わる話だから」
スタークスだけでなく、俺にも関わる話というのは人型デバイスに関することしかないだろう。今のところそれくらいしか彼女との共通点はないのだから。
「俺にもってことはファラに関すること?」
「まあそうだね。実は……ショウには悪いんだが、君と一緒に地球に帰るのは難しそうなんだ」
レーネさんは、普段に比べて深刻そうな顔と声だった。俺とスタークスは、しばしの間無言だった。
「……だそうですが?」
「正直に言えば、だから何? って感じなんだけど。レーネさんがいて変わることって……食事の量くらいだしさ。さらに言うなら、いないほうが家が綺麗……」
「夜月翔、そこは嘘をつくところでしょう。レーネはいつもぼんやりしているようですが、彼女だって内心では傷ついてるはずです」
「シュテル、どちらかといえば君のその狙いすましたタイミングでの発言の方が傷つくのだが」
「レーネさん、それより続きを」
「……私はこの子達にいじめられているのではないだろうか」
レーネさんはぶつぶつと何か呟いた後、もう一度コーヒーを飲む。そっとカップを置くと、普段どおりのぼんやりとした口調で話し始める。
「ショウだけを……」
「む……」
「言い方が悪かったね、ファラ。君達だけを地球に返すのは、保護者として心苦しい。だが山場を迎えている研究も多
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