02 「友達」
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」と返事を返してきた。
俺は返事を返すと、フォークを取りに行く。どこに何があるか分かっており、のんびりとできるこの家は第2の家と呼べるかもしれない。フォークを1本取って戻ると、はやてがさっそく着てフードを被っていた。彼女の性格を考えた俺は、あえて何も言わないでフォークを差し出した。
「ここはツッコむところやで」
「いや、お前の立場だと感想を言えってのが正しいから」
「そうやな」
にこりと笑みを浮かべてフォークを受け取り、ケーキを一口サイズに切って口に運ぶはやて。味わうように口を動かした後、彼女はフォークを置いてこちらに向いた。
「ショウくん」
「何だよ?」
「わたしのお嫁さんになってくれへん?」
真顔でバカなことを言う彼女の額を、俺は無言のまま指で叩いた。
俺は大して力は入れていなかったのだが、はやてはオーバーな痛がり方をする。そんな彼女に呆れながら、問いに対する返事を返すことにした。
「バカ、俺は男だ。嫁になれるわけないだろ」
「軽い冗談やんか。ショウくん、可愛い顔してるんに真面目過ぎんで」
「俺に対して可愛いって表現を使うのは大人かお前くらいだ。そもそも可愛い顔と真面目が何で結びつくんだよ。意味が分からん」
「そりゃ適当に言うとるし」
はやては再びケーキを食べ始める。
こいつを見てると、悩みなんかなさそうに見えるよな。だからほとんどの人間が明るい子としか思わないんだろうけど。同性の友達でも出来れば、こいつも色々と溜めずに話すことができるんだろうが……こいつと趣味の合いそうな人物に心当たりはある。
だが……会わせていいものだろうか。あの子にはすでに親しい友達が2人いる。たまに図書館で見かけるため、常にあのふたりと一緒というわけではないだろうが……あの子がはやてと親しくなろうとすると、また彼女達の仲に亀裂が生じるのでは。
「……ん?」
自分で思っている以上に考え込んでしまっていたのか、はやてに服を引っ張られた。顔を向けて返事を返そうとした矢先、口の中に何かを入れられた。
突然のことで思考が止まったが、甘さと感じた瞬間に口の中に入れられたのがケーキだということを理解した。
「美味しいやろ?」
「まあ……って、俺が作ったのなんだから味は知ってる。それと、いきなりやるなよ。危ないだろ」
「ごめんな〜。でもわたし、あんまりショウくんが難しい顔しとるの好かんねん」
「……悪かった」
「謝らんでええよ。わたしも悪いことしたしな……そういやわたしら、間接キスしたんやな」
「……そうだな」
「あはは、どうでもいいって感じの返事やな。まあこんなことで恥ずかしがったりする間柄でもないやろうけど。あっ、でもショウくんはもっと感情を表に出した方が可愛げあるよ」
「別に人から
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