暁 〜小説投稿サイト〜
カンピオーネ!5人”の”神殺し
ルリム・シャイコースとの戦い X
[1/7]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
(さて・・・勢い込んで出てきたはいいが・・・)

 そもそも、未だ護堂は、”イイーキルス”への対処方法を見出してはいない。ルリム・シャイコースか”イイーキルス”、どちらか片方だけならば対処出来るが、両方同時に攻撃してくるとなると、途端に難易度は跳ね上がる。

 リップルラップル(いわ)く、『”イイーキルス”が本体。ルリム・シャイコースは雑魚』だそうだが、どちらも高い攻撃力を持っているのだ。”イイーキルス”だけに対処していて、後ろから刺されて死ぬだなんて、そんな間抜けな死に方はしたくない。

 まぁ、戦いながら模索するとして・・・問題は―――

(さて、祐里は逃げたか・・・?)

 意識を集中すると、少し離れた場所を走っている祐里を知覚することが出来た。【炎の王国(フレイム・キングダム)】によって身体能力は上昇している・・・が、元々そっち方面の適正が低いのだろう。精々、男子中学生の運動部員くらいの運動能力を得た程度だった(それでも、元の祐里の運動能力を考えれば十分に上昇しているのだが)。

 それに、運動神経が良くない人間に、今までの身体能力を大きく超えた能力を付与しても、まともに動かせる筈がない。祐里は、壁に衝突したり転んだりしており、瞳に涙を浮かべながら、安全地帯まで走っていた。

 ・・・さて、護堂は、既に【炎の王国(フレイム・キングダム)】がもたらす弊害に気がついていた。

(・・・まだ何か問題がありそうだとは思ってたけど・・・これはあんまりだろう・・・)

 これから起こるであろう厄介事を考え、頭が痛くなる護堂。

 何が問題なのか?・・・それは、祐里の状況を知覚出来ること(・・・・・・・・・・・・・)であった。

 護堂は、彼女を目で見ている訳ではない。それなのに、今どの辺りを走っているのか、どんな表情を浮かべているのか、怪我の有無や、残りの体力などまでが、鮮明に把握できてしまうのだ。

(どんなストーカーだよ!?)

 十km以内なら、どこにいても知覚出来る。正直言って、ストーカーの頂点にも立てるような副作用だった。頭を抱える護堂。

(これがバレれば、エリカや鈴蘭さん達に、なんて言われるか!!!)

 勿論、祐里に対しても罪悪感がつのる。そして、それ以上に、鈴蘭達にどんな弄られ方をするかを考えるだけで、護堂の胃はキリキリと痛むのだ。

(・・・早いうちに、制御法を確立させないと・・・!!!)

 スイッチをON/OFF出来るようにならなければならない、と護堂は決意した。こんなプライバシーの欠片もない能力、そのままには出来ないのだから。確かに、戦闘時には役に立つ能力だろう。現代科学以上の精度で、眷属にした人間の状況が分かるのだから。だが、せめて戦闘時だけの能力にして欲し
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ