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闘将の弟子達
第七章
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を石渡茂、吹石徳一等が固める。いてまえ打線の完成であった。
 いてまえ打線は一世を風靡した。それは西本が完成させた最強打線であった。
「あれが西本道場の弟子達か」
 ファン達は打ちまくる彼等を感嘆を込めて見ていた。
「凄いもんや、無名の連中があそこまでやるんやからな」
 近鉄は最早あの弱小球団ではなかった。押しも押されぬ強豪チームであった。
 西本の名声はさらに高まった。阪急だけでなくあの近鉄まで優勝させたのだから当然であった。
「あれだけ練習したからな」
 選手達は言った。時には飛行機で着いたその夕方に早速練習をしたこともあった。飛行機の中にボールやグローブを持って行ったのだ。
 そうした練習の賜物であろう。最早彼等を馬鹿にする者は本当に野球を知る者ではいなかった。
 時折醜く顔が膨れ上がった男やガチャ目でスキンヘッドの狂人共が何かを言う。連中は野球を知らないだけである。狂人でもテレビに出られ、如何に視聴者から憎悪され軽蔑されても得意になって気付かない。こうした怪奇現象が起こるのは我が国だけである。恥と言ってよい。もっとも当人達は狂人なのでそれには一向に気付かないのだが。
 西本は実証したのだ。努力が報われるということを。だがまだ完全ではなかった。
「日本一ですか!?」
 記者の一人が西本に対して問うた。
「いや」
 それに対して彼は首を横に振った。

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