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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十五話 管理局との契約 後編
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ことはクラウンにもわかっている。
だが、その時点で余りに違う魔術と魔導。
だからといって、この異質な技術を無視できるはずもない。
(純粋な魔術師とは違うと言っていた彼の言葉がわずかな可能性だな)
今後、本当に信頼を得た時に話してくれるというわずかな、本当にわずかな可能性を信じることしか今は出来なかった。
そして、会議室に残った士郎とグレアムはというと椅子に座ることなく、机を挟み静かに向い合っていた。
先ほどまでとは違う張り詰めた空気。
その中で
「よく残る気になりましたね」
士郎が最初に口を開いた。
「今後は嫌でも顔を合わせる事になるんだ。
少しでも関係の改善をしたいと思うのが悪い考えとは思わないよ」
「例え私がここで貴方を殺す気だったとしてもですか?」
士郎の言葉に二人のやり取りをグレアムの後ろで見つめていたロッテとアリアがグレアムを守る様に前に出て構える。
「やめなさい、二人とも」
「ごめんなさい。その命令は聞けない」
「大丈夫、私達は負けないよ。
士郎、あんたも本調子じゃないんだろう?
歩き方に違和感があった。
そんな状態でやる気かい?」
構えを解かないアリアとロッテに士郎は構えをとる事すらしない。
「確かに本調子とは程遠いがそれだけで勝てると考えるのは浅はかだな。
ロッテ、君とてゲイ・ボウの呪いで衰弱しているだろう?」
士郎の言葉に撫でるように傷に手をやるロッテ。
「ふん、このくらいなんともないよ」
「そうか、なら先に排除するか」
何の気負いもなく当然の様につぶやかれた士郎の言葉に二人は警戒を強める。
本当の事を言えばグレアムも闇の書事件での責任として魔力の大半を封印されている状態であり、当然その使い魔である二人も少なくなった魔力の供給では戦闘は難しい。
だがリーゼ達以上に士郎はまともに戦闘すらできる状態ではない。
にも関わらず戦いを挑む事があまりに無謀である事を突きつけられる事になる。
士郎はグレアム達との間にあるテーブルを飛び越える気もなく、視線を逸らさないまま歩き始める。
その一歩目を踏み出した瞬間
「「「ッ!!!!」」」
三人は声にならない悲鳴をあげていた。
その中で体を労わる様にゆっくりと歩く士郎の靴音だけがしっかりと聞える。
全身に纏わりつく何かに全身が震え、口の中が渇く。
それでいて全身は流れ出た冷や汗に濡れていた。
わずか数秒、だが三人にとっては永遠にも近い時間の中で自身に纏わりつくモノの正体に気がつく。
過去の戦いの中で浴びた事がある。
しかし、そんなモノとは比べ物にならない位に圧倒的で濃密な殺気。
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