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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十五話 管理局との契約 後編
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来事の発端となる座標。
 万物の始まりにして終焉、この世の全てを記録し、この世の全てを作れるという神の座。
 こちら側ではアルハザードが近いでしょうか。
 そして、至るために概念、魂魄の重みを重視します。
 魔術とは過去に疾走し、科学は未来に疾走するとは昔知り合った者の言葉ですが」

 淡々と話す士郎とは裏腹に管理局の面々はここに来て混乱していた。
 無理もない。
 科学技術と共に発展してきた魔導技術。

 それとは逆行する技術。
 そこまでは理解していた。
 だが

(理解が出来ないわけだ。
 向っているベクトルが、考え方が違うとは思っていたが、そんな話ではない)

 クラウン自身、新たな情報が明かされることに内心喜びはした。
 しかし

(根源、アルハザードに至るための学問にして技術など根本の理から余りに違いすぎる)

 厄介な情報に内心では頭を抱えながら、表面的に表情を崩さないので精一杯であった。

「それと私は純粋な魔術師からは外れてはいますが、あくまで嘱託魔導師です。
 自身の秘儀を明かすつもりはありません」
「衛宮君の好意に感謝する。
 衛宮君が情報を明かしたくない気持ちもわかるから無理には尋ねることはしない。
 だがあまりに我々の魔法と違う、また質問をする事になるかもしれないが、構わないかな?」
「答えられる範囲ならば問題ありません」
「感謝するよ。では今日はここまでとしようか?
 デバイスの準備など本格的に動き出すのは年明けになる。
 それまで今回の事件の疲れをゆっくりと癒してくれ」
「はい、ありがとうございます」

 クラウンと士郎の言葉に頷き、それぞれが立ち上がり

「では改めて同じ職場の仲間としてよろしく頼む。衛宮君」
「こちらこそ、よろしくお願いします。クラウン中将」

 二人は握手を交わし、全ての話が終わったと思った時

「ああ、少しここをお借りできますか?
 グレアム提督と少し話したい事があるので、今後の事など二人だけで」

 士郎の言葉に困惑をする。
 少なくない軋轢に、事件直後の二人きりという状況。
 最悪の事態という考えが浮かばないはずがない。
 だがグレアム本人が無言で頷いた事により、士郎とグレアム、そして使い魔の二人を残して全員が部屋をあとした。

 そして、クラウンは二人きりという状況で最悪の事が起きない事を願いながら、自身の執務室に戻るため歩きながら魔術の事を改めて考えていた。

(今回、彼が話してくれたのは我々を仲間と認めたわけじゃない。
 デバイスや闇の書の融合騎の彼女の事など彼の要望を受け入れたことに対する対価だ
 貴重な情報なのは確かだがどう扱うべきか……)

 士郎が渡した情報が基本中の基本である
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