第50話 「番外編 シンデレラ(ラインハルト)」
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そこへ襲い掛かるアルフレット・フォン・ランズベルク伯爵。
「ここから先へは通さぬぞ」
シンデレラ(ラインハルト)は、ゆっくりと宝剣(ブリュンヒルト)を構え、切りかかりました。
「喰らえ。ファイエル!!」
「うわー」
ランズベルク伯爵は、あっさり倒されてしまいました。
見せ場すらありません。
お城(ノイエ・サンスーシ)の片隅で、黒いシルエットがひそひそ話しています。
「ランズベルク伯爵がシンデレラ(ラインハルト)に破れたようだな」
「フフフ。やつは門閥貴族の中でも最弱。シンデレラ(ラインハルト)如きに破れるなぞ、門閥貴族の面汚しよ」
某ブラウンさんとひげの目が妖しく光りました。
結構、悪役が似合う人たちですね。
一方、シンデレラ(ラインハルト)は、居並ぶ敵をばったばったとなぎ倒し、黒真珠の間までようやく辿り着きます。
さすが軍事の天才。
「諸悪の根源(ルードヴィヒ)〜」
シンデレラ(ラインハルト)が叫ぶ。
壇上に立つ悪に、切りかからんとしたシンデレラ(ラインハルト)が見たものは!!
「あのお方の邪魔する者は許さない」
すっかり諸悪の根源に洗脳されてしまった親友の姿でした。
涙を流しつつも親友を打ち倒したシンデレラ(ラインハルト)に近づく、クラウス・ラヴェンデル。手には真っ赤なりんごを持っています。
しかもうさぎさんに切っていました。
「シンデレラ(ラインハルト)これでも食べて、落ち着いて」
天使のような笑みを浮かべ、りんごを差し出します。
シンデレラ(ラインハルト)が一つ摘み上げ、口に入れようとしたとき、
「いけません!!」
そう叫んで、赤毛がうさぎさんを取り上げ、自らの口に入れてしまいました。
そして崩れ落ちる。
「毒だったのかっ!!」
床に倒れた親友を抱きしめ、シンデレラ(ラインハルト)はクラウス・ラヴェンデルを睨む。
「……おのれ、シンデレラめ。悪運の強いやつ」
憎々しげにシンデレラ(ラインハルト)を睨みつけるクラウス・ラヴェンデル。
「シンデレラ(ラインハルト)様。悪を……倒して……ください」
「キルヒアイス〜っ!!」
シンデレラ(ラインハルト)の叫びが黒真珠の間に響き渡りました。
いけいけ。シンデレラ(ラインハルト)。
諸悪の根源(ルードヴィヒ)を倒すその日まで、泣いている暇なんかないぞ。
アレを倒せるのは、君しかいない。
そして宇宙に平和を取り戻すのだ。
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