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ソードアート・オンライン―一刀流と二刀流―
アニールブレード
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される触手を直撃コースだけは避けながら猛烈なスピードで突っ込んでいく。
脇腹や肩を触手が穿っていく。
それでも気にしない。
止まったら囲まれてジ・エンドだ。
「セェイヤァァァァァ」
正面から来た触手を体を捻った状態からの回転切りで叩き落とし、そのスピードのまま花つきの腹部を裂く。
まだ浅い。
もう一発。
突き気味の攻撃で敵を仰け反らせる。
花つきの周りのノーマル達の触手が迫る。
それを見ながら横凪ぎ単発技《スラント》を放つ。
システムアシストの加速で触手が貫く直前に前方に跳んだ俺はそのまま花つきを撃破した。
地面に転がる胚珠を掴むとアイテムストレージに仕舞うのも忘れて走り出す。
村に入ればこっちの勝ちだ。
剣で触手をいなしながら死ぬのを覚悟で正面突破を狙う。
2体纏めてスラントの餌食にするとその隙に村まで駆け抜けた。


ホウホウの体で村に戻った俺は無事にクエストをクリアし、お母さんから片手剣《アニールブレード》を受け取った。
ズシリと思いその武骨な剣を背中に吊った俺をいきなり光が包んだ。



直後。
ソードアート・オンラインは永遠にその姿を変えた。
HP=現実の命というデスゲームに。
小池和也は決意する。
意地でも生き抜くと。







「ん?アイツは…?」
《森の秘薬》の家から出てきたキリトは不覚にも病気の娘役NPCに妹を重ねて泣いてしまった目もとを拭いながら村の先を見た。
盾無し片手剣士。
この村で売っている革製の防具。
そして、アニールブレード。
「先客が…いたのか?」
見つめた先の少年は一人、呟いた。
「俺は負けない。このゲームにもプレイヤーにも」
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