アニールブレード
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待った。
お母さん曰く。
娘が病気だが、その薬を作るにはモンスターから出る胚種が必要だから取ってきてくれないか。
俺はそれを聞いた瞬間に走り出した。
「おばさん、任せな」
この付近に来るまでにレベル3になっていた俺は、2つあるスキルロットを《片手用直剣》と《索敵》にした。
《索敵》は効率的レベリングには必須だ。
なにせモンスターの位置がかなり手前から分かる。
プレイヤーもだが。
そう思いながら気持ち悪い植物型モンスターを探した。
このクエスト《森の秘薬》に必要な《リトルペネントの胚珠》はリトルペネントとというモンスターからドロップするのだが、このリトルペネント、三種類の見た目を持つ。
ノーマル、頭に実を着けた実つき、頭に花を咲かせた花つきの3つだ。
そして、《リトルペネントの胚珠》は花つきからしかドロップしない。
ノーマルを狩れば狩るだけ花つきの出現率は上がるし、今の俺のレベルなら丁度良くレベルアップさせられるので俺は始まりの町周辺をすっ飛ばして、ここに来たのだ。
それに報酬のアレも欲しい。
こうして俺は横凪ぎ一閃の片手剣単発技《スラント》と縦切り一貫の片手剣単発技《バーチカル》を駆使してリトルペネントを狩りまくった。
「ッエヤア!!」
もう何十体目か知れない植物型モンスターを青白いライトエフェクトを放つ剣で切り裂き終えた俺は肩で息をしていた。
既にサービス開始から1時間が経過していた。
未だに花つきが出てこない。
仕方ない。
かなりの数を減らしたからリトルペネントも枯渇してきただろう。
次の実つきは叩き割る。
実つきはその実を割られると凄い数の仲間を呼ぶので、そのなかに花つきがいたら優先的に倒して逃げよう。
勿論、死ぬ確率もあるが、デスペナルティはこの段階では大して痛くないし、どうせ始まりの町で蘇生する。
そう思っていたら実つきが現れた。
「ラッキィ!!」
剣を構えて、様子を伺う。
触手が2本襲いかかってくるのを、ステップで避けて突っ込む。
しかし、まだ遠い。
剣の間合いに入る前によくわからない液体を吐いてくる。
それを先読みしていた俺は体を限界まで捻りながら前に跳びギリギリでかわすと共にモーションに入る。
ソードスキル《バーチカル》の発動姿勢。
システムアシストによる有り得ない速度で降り下ろされる剣にタイミングを合わせて威力を上乗せする。
綺麗にうち下ろされた初期装備の愛剣《スモールソード》は実つきの実を叩き割った。
僅かな硬直時間が終わると、止めをさして、周囲を見渡す。
花つき、花つき、花つき、どこだ。
花つき、花つき……いた!
見つけた直後に突っ込む。
背後に5体。
右舷に3体。
左舷に8体。
そして、前方に花つきを含めて6体。
まだこんなに残ってたのか。
繰り出
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