第二十四話 大戦の予感
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都ルブラにて。
琥珀の谷にある都市の王宮でロザリア帝国皇帝ユリウス・マルガラスは諜報部を統括するアルシド・マルガラスからの報告を受けていた。
「大本営め・・・また私の許可を得ずに行動しおって」
「ですが、オーダリア東部及びケルオン大陸にある植民地に分散して軍事演習という名目ですので許可をとる必要がありません」
ロザリア帝国では前マルガラス朝が終焉して以来大本営と皇帝が対立している。
一番の原因は皇帝が直接軍を支配下においていないからだ。
軍の演習も一定数を超えない限り大本営の独断で動かすことができる。
ユリウスは頷き、報告の続きを促す。
「国外諜報課の報告は?」
「ビュエルバの領主オンドール侯爵が病を理由にビュエルバを離れ、反帝国組織を結集し始めているそうです」
「確かか?」
「確かな筋の情報です」
「面倒な。国内諜報課からの報告は?」
「報告によると大本営にいる強硬派の将軍達も東部へ赴きいております。侯爵が動けば、彼らも動くでしょう」
「あまりよい報告が無いな」
「しかし対アルケイディア諜報課よりよい話もあります」
「なんだ?」
「アルケイディアの反戦派と協力をとりつけることができたとのことです」
それは吉報だ。
ユリウスは大戦を望んでいない。
内政に力をいれたいので戦争など願い下げである。
「反戦派からの手紙でございます」
そういってアルシドは胸のポケットから書類を出し、ユリウスに手渡す。
そしてユリウスは手紙の内容を読み、アルシドに話しかける。
「これはまた大した奴が反戦派の代表だな」
「私が陛下の代理人としてそこに書いてある場所に行くつもりです」
「ふむ、許可する。頼んだぞアルシド」
「はっ」
アルシドはユリウスに礼をして退室した。
廊下を歩いていると黒い髪をした人物が話しかてきた。
「よおアルシド。大本営には手を焼かされるな」
「ああ。アダス」
黒い髪の人物の名はアダス・マルガラス。
国内の災害や疫病の情報を収集する国内諜報課の統括である。
だが大本営が常に暴走状態のロザリアであるから殆どが大本営の情報の収集ばかりのため対大本営諜報課とも言われている。
「東の方に行くんだろ。クライスさん元気かな?」
「貴方はまた昔の上司の話か」
「そうだよ。悪いか?」
「いや」
20年程前に諜報部に入った時の上司のことをアダスは尊敬している。
アルシドもアダスと同期で同じ上司であったが彼は大した手腕の持ち主であった。
1年ほどで彼は諜報部から抜けたが情報操作の上手さはアルシドも評価しているが会うたびに言われても。
「アルシド様」
美しい声が聞こえてきた方向にアルシドとアダスは向いた。
そこには綺麗で長い金髪の笑顔が似合いそ
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