第二十一話 忠臣の裏切り
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【暁の断片】を手に入れたセア達は王墓から出た。
すると空にリヴァイアサン艦隊が飛んでいてセア達は再び帝国兵に捕まりリヴァイアサンのメインコントロール室に連行された。
そこにはギースが机においてある自分の兜を手でなでていた。
ギースは兜をなでるのを止めアーシェに話しかけた。
「再びお目通りがかなって光栄ですな殿下」
そう言うとギースは兜をなでるのをやめ、アーシェの方に向く。
「先日は実にあわただしくご退艦なさったので・・・我々に無礼があったのではないかと心を痛めておりました」
セアは前に来た時に無礼以外の何かをしたのかと衝動的にギースに聞きたくなったが堪えた。
アーシェは不機嫌そうな声でギースに話しかける。
「痛む心があるというの・・・本題に入りなさい」
「破魔石を引き渡して頂きたい」
「破魔石って・・・」
ギースの台詞にパンネロが反応しラーサーから貰った人造破魔石をポケットから取り出す。
「そのような模造品ではない」
ギースはイラつきを混ぜた声でパンネロを黙らせ話を続ける。
「我々が求めているのは・・・覇王レイスウォールの遺産である【神授の破魔石】だ」
ギースが左手に拳を握りながらそういった。
しかしアーシェは意味がわからないという顔をする。
その様子を見てギースは後ろにいる人物に目線を向ける。
「まだ話していなかったのかね・・・アズラス将軍」
その言葉を聞きアーシェの顔に驚愕が浮かぶ。
ウォースラはアーシェに近づき話しかけた。
「殿下【暁の断片】を。あれが破魔石です」
「なぜだウォースラ!」
アーシェに【暁の断片】を渡すように促すウォースラを見てバッシュが叫ぶ。
「帝国は戦って勝てる相手ではないっ! ダルマスカを救いたければ現実を見ろ!」
ウォースラはバッシュに怒気を含んだ声でそう返した。
バッシュが口惜しいように黙り込む。
「アズラス将軍は懸命な取引を選んだのですよ。我が国は【暁の断片】と引き換えに・・・アーシェ殿下の即位とダルマスカ王国の復活を認めます」
ギースは一旦そこで言葉を区切りアーシェの方に視線を向ける。
「いかがです? たかが石ころひとつで滅びた国がよみがえるのです」
「で、あんたの飼い主が面倒を見てくださるわけだ」
ギースの言葉にバルフレアは皮肉をこめた言葉を返した。
バルフレアの言うギースの飼い主とはヴェインのことだろう。
ギースはバルフレアの発言に顔を少し歪めた。
確かにギースは有能な武人ではあるが他の公安支部局局長・・・ジャッジマスターと比べると幾らか差がある。
数年前から損得勘定でヴェインを支持していたギースは元は生まれならの政民で13局に勤めるジャッジにすぎなかった。
しかし2年
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