第二十一話 忠臣の裏切り
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前の戦争で第13局の先代局長フォーリス・ゼクトが生死不明になりヴェインの推薦があってギースがその座に就いたのだ。
ギースがジャッジマスターになった後はヴェインの命令しか殆ど聞いてはいない為、確かにヴェインの飼い犬のような状態である。
ギース自身もそのことには気づいているが次期皇帝確実と呼ばれる人物に顔を覚えてもらえば損にはならない為我慢している。
その為若干不服でありながらも飼い犬を演じている訳だが・・・
ギースは滾る怒りを押さえ平静を装いアーシェに話しかけた。
「彼をダルマスカの民とお考えなさい。殿下が迷えば迷うほど民が犠牲になる」
ギースはそういって腰の金色の剣を抜きバルフレアの首下にむける。
「彼は最初のひとりだ」
「まわりくどい野郎だな。ええ?」
そのやり取りを見ていてセアは確信した。
最初見たときから思っていたが目の前にいる金ぴか鎧は確実に器が小さい。
それにしても流石空賊とでもいうべきだろうか命の危機に相手に喧嘩を売る余裕があるとは。
セアがバルフレアに感心しているとアーシェが悔しそうな表情を浮かべながらギースに【暁の断片】を手渡した。
ギースは手に取った【暁の断片】を眺めながら呟いた。
「王家の証が神授の破魔石であったとは・・・ドクター・シドが血眼になるわけですな」
「今なんつった!」
バルフレアが眼を鋭くして問いかけたがギースは無視する。
そしてウォースラに命令した。
「アズラス将軍。ご一行をシヴァへ。数日でラバナスタへの帰還許可がおりる」
ウォースラは帝国兵と共にセア達を連行させる。
ギースがウォースラ達が退室したのを確認すると自分以外の軍人がいないか確認する。
そして随伴している研究員に話しかけた。
「すぐに魔力を測定しろ」
「本国に持ち帰るまで手をつけるなとのご命令では?」
青年の研究員が疑問を口にする。
今回の任務は青年が所属するドラクロア研究所が一枚噛んでおり、破魔石が危険極まりないものであることを知っている。
もしなにかの反動で複合崩壊でもおころうものならとんでもない被害が出る。
だから所長を中心に本国に持ち帰るまで手をつけるなと青年もきつく命令されているのだ。
勿論ギースもそのことは知っているため誤解だというふうに首を振って言った。
「あらかじめ真贋を確かめておかんでどうする?」
その言葉を聞き青年も偽物の破魔石を持って帰るよりはマシかと思い了承した。
「わかりました。直ぐに部下に命令し魔力測定の準備をさせます」
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