第十九話 魔人
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王に仕えたという魔人では・・・」
アーシェがかつて父から聞いた覇王と魔人にまつわる物語を思い出しながら答えた。
「大丈夫か? 馬鹿弟子!?」
「なんとか」
セアはヴァンの声を聞くとポケットから魔石を取り出しヴァンに渡した。
「これは?」
「気にするな! いいか俺達があの化け物の引き付けてる間にそいつを化け物にあてろ!」
「え!?」
「外したら承知しないぞ!いいな!!?」
「ああ!!」
ヴァンの返事を聞くとセアはバルフレアとフランに近づき話しかける。
「あの化け物の注意をヴァンからそらしてくれないか?」
「ああ? なんでだ!?」
バルフレアは目線と銃口を魔人に向けたままセアに答える。
「ここにくる途中暑いと思わなかったか? おそらくアレは炎の属性をもっている」
「それで!?」
「ヴァンにウォタガの魔片を渡した。隙を見て投げろと!!」
「了解。ヴァンから注意を逸らせばいいんだな?」
バルフレアが軽くこちらを見たのでセアは素早く頷き魔人の方へ走った。
ウォースラも目が覚めたようで魔人に斬りかかっていた。
セアも魔人の注意をこちらに向けるために斬りかかる。
すると魔人の背後からできるだけ目立たず近づいてきているヴァンの姿が見えた。
フランも正面から{ブリザラ}を放ち魔人の注意をこちらに向ける。
しかし注意を引き付けている事に気づいたのか魔人が後ろに振り返りヴァンを視界に捉えた。
魔人はヴァンに目掛けて武器を振り下ろした。
「うおおおおおおお!」
ヴァンは魔人の攻撃を紙一重で避け(偶然)若干ヤケクソな感じでウォタガの魔片を右手に掴んだまま魔人に近づき殴りつけた。
魔人は水系の上級魔法{ウォタガ}の直撃を受け、重症を負いながらも魔法の詠唱を開始した。
セアはその詠唱を聞き顔を青くする。
魔人が今唱えているのは{ファイジャ}という魔法だ。
セアがルース魔石鉱でパンネロを攫ったバンガに使ったあの魔法だ。
あれを加減せずに放てばセアはともかく他の奴等が死んでしまう。
魔人を中心に魔方陣が形成され始めたところでセアは魔人の右腕を切り飛ばした。
すると魔人はミストを放ちながら倒れ、青い魔石が残った。
その魔石をセアが拾い、フランが語り始めた。
「かつて神々に戦いを挑んだ荒ぶる者ども・・・敗れた彼らの魂はミストにつなぎとめられて時の終わりまで自由を奪われた・・・ン・モゥ族の伝承よ」
「俺はン・モゥ族の伝承は知らないが似たような話ならしってるぞ。大分昔に聞いた神々に挑んだ12体の人智を超えた異形者の御伽噺。そういや人と魔物を混ぜたような異形者がいたっけ」
「異形者ってなんだ?」
「詳しい事は知らんが・・・かつて神々が創った存在だそうだ」
「ふ〜ん」
「確か人
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