『"Cannibal Candy"』
#3
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こっちは本物を見てないせいで不完全だがな……それより」
クロスは乱入者たちを見て、呆れ顔で言い放つ。
「人形遣いの方を狙うのは反則じゃなかったか?」
「知るかよ!」
どぉん!という爆発音。ライシンと夜々も狙われたらしい。
「おいおい……ルールってのは何のためにあるんだよ……まぁ、そっちがその気なら、こっちも本気だ!!――――夜々、光焔十二傑!」
「はいっ!」
ライシンの声に、夜々が反応。魔力の波動がほとばしる。直後からの攻撃を、夜々とライシンはまるですでにそれを見たかのような優雅な動きで回避し、的確に反撃していく。いや――――実際、既に『見ている』のだ。
「霊視――――なるほど。魔力の波動を使って相手の行動を読み取っているのか……花柳斎人形ならではの能力だな」
クロスの両目が、幾何学模様を描いて虹色に発光する。
「起きなさい、シグムント」
シャルがシグムントに指示を出す。倒れていたシグムントはよろめきつつも立ち上がり、咆哮する。
「ラスターフレア!!」
散弾銃の要領で放たれた光の弾丸たちが、オートマトンたちを貫いてその動きを止める。さらには生徒たちをギリギリのところでかすめて、彼らの戦意も消失させていた。
「うまい戦い方だな。さすがは魔剣の使い手、といった所か……」
言いながら、シャルに近づく。同時に、クロスの髪と眼が再び元の色に戻る。
「この私を助けたなんて、ばかげた思い違いをしない事ね!」
「どうかな。恩を売ったつもりになってるかもしれんぞ。特にこっちの本物のバカは」
「うるせー」
ライシンの反論に苦笑しつつ、クロスが落ちていたシャルの帽子を彼女に投げる。シャルは帽子を器用にキャッチすると胸をそらして聞いてきた。
「い、一応名前を聞いておこうかしら」
「おととい言ったがな……まぁいい。俺は鈴ヶ森玄守」
シャルはクロスの名乗りを聞くと、シャルは顔をしかめる。
「……この前も思ったけど、本当に東洋人なのあなた……?」
「東洋人だよ。生まれも育ちも日本だ」
どれだけ気になってるんだそれ……。苦笑するクロス。
シャルは今度はライシンに顔を向ける。
「日本の傀儡師、赤羽雷真」
「同じく、夜々!」
どどん、と音が鳴りそうなほど堂々と、夜々が続ける。ライシンはため息をついて、
「いや、どこも同じじゃねぇだろ」
「その妻、夜々!」
「違うからな。入籍とかしてないからな!」
ライシンと夜々の茶番を冷たい目で見つつ、シャルは言い放った。
「嘘に罪?お似合いな名前ね」
「うるせー。俺の
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