『"Cannibal Candy"』
#3
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ほかの自動人形を相手にしていたライシンと夜々は、続く攻撃に反応できない。オートマトンのさらなる攻撃が、シグムントと、無防備なシャルを吹き飛ばさんと迫ったその時……
「……《光の砲撃・偽典版》」
何もない空間から発生した、シグムントの砲撃によく似た光のレーザーが、ゴーレムに直撃した。ゴーレムの腕は同時に発生した爆発に巻き込まれ、胴体の一部語と吹っ飛ぶ。
落下してきたシャルをぽすっ、と音を立てて受け止めたのは、両目どころか髪すらも虹色に輝かせたクロスだった。
「クロス!?」
目を見開くライシンを無視し、クロスは静かに告げる。
「……薙ぎ払え、ラジエル。《光の砲撃・偽典版》」
何もない空間から、再びレーザーが放射される。それはゴーレムを粉砕し、今度こそその動きを止めた。
「あ、あなた、今のは……」
いわゆる『お姫様抱っこ』にある衝撃よりも、何もない空間から発生した自らの相棒と同じ攻撃の方が、シャルには重要だったようだ。呆然とした表情でクロスに問う。
「《偽剣》の魔術回路をコピーした技だよ。さっきの『本家』を『見た』ことで完成した。詳細はまた後日という事で……」
「な、何が『また後日』よ!それに《偽剣》って……?」
なおも問いつづけようとするシャルを制し、クロスはライシン達に向かって叫ぶ。
「今だ!ぶっ飛ばせ、ライシン!」
「おう!夜々、吹鳴二十八衝!」
「はい!」
夜々とライシンが、オートマトンを次々と吹き飛ばして、行動不能にしていく。最初は十体ほどいた自動人形たちは、今や三体あまりになっていた。煙の向こうから、迷惑そうな表情で乱入してきた生徒たちが叫ぶ。
「邪魔しないでもらおうか、留学生!」
「こいつは俺達の獲物だ!横取りされちゃかなわない」
ライシンが反論する。同時に、シャルがクロスの腕からすとんと抜け出した。
「我々はこの計画を何週間もかけて練ってきた。横取りというのはお前の方だ!」
「奇襲作戦か?この程度の精度の作戦を?何週間もかけて?呆れるな」
クロスが批評を下すと、先ほどからライシンと喋っていたリーダー格と思しき生徒が叫ぶ。
「何だと!?……くそ!やっちまえ!」
リーダー格の操る自動人形が、最大出力と思われる攻撃を放つ。しかしそれは、クロスに命中する前に、透明な障壁に阻まれて消え去ってしまう。
「それは……!?」
シグムントの近くに戻ったシャルが驚きの声を上げた。
「《光の甲殻・偽典版》……残念ながら、
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