『"Cannibal Candy"』
#3
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るわ!シグムント!!」
『オウッ!!』
シグムントを光のオーラが包み込み、その体を巨大なドラゴンの物へと進化させる。先ほどまでの子龍の物とは天地ほどの差の大きさだ。
『コォォォォッ!!』
「質量を変化させる魔術回路か……?」
シグムントの《変身》を見て、ライシンが呟く。さすがの慧眼だな、と思いつつ、クロスはそれに答える。
「具体的には少し違うがな。そんなところだ。さて……始めるぞ、ライシン」
「おう!行くぞ夜々!」
「はい!」
鋭い応答。
「吹鳴二十八……」
「ライシン、後ろだ!!」
「!?」
クロスが叫ぶ。ライシンと夜々はさすがの反応速度で、突如飛来してきた《ソレ》をよける。地面が抉り取られる。飛んできたのは、明けの明星と呼ばれる特殊な鉄球武器。ライシン達がよけたそれは、シグムントへと飛んでいき、その硬い甲殻に跳ね返された。
「……どうやらほかにもバカがいるようね」
「……何だアイツらは」
煙の向こうから、複数人の人形遣いと、彼らの物と思われる自動人形が出現する。
「大人しく見てなさい。あなた達の前に、あっちのバカを片付けるわ」
シグムントとシャルが、乱入者の方に向き直る。
「負けるなよ、恐竜お嬢様……勝手に手伝わせてもらうけどな」
「誰に向かって言ってるの」
ライシンの声に、シャルが不敵に笑って反論。シグムントの頭の上に飛び乗る。煙の中から飛び出してきた自動人形たちを、片っ端からシグムントが薙ぎ払っていく。しかし小柄な自動人形が多いせいか、大柄なシグムントは徐々に、徐々に押されていく。
「ちぃっ」
シャルが可愛らしく舌打ち。
『キシャァォオオオオ!!!』
シグムントが苦痛と苛立ちで咆哮する。そこに追い打ちをかけるように、雪だるまの様な自動人形と、ハーピィを模した人形が襲いかかる。
「……シグムント、ラスターカノン!」
シャルの指示に、シグムントが反応。一杯に開かれた咢から、純白のレーザーが放射され、学院の無人地帯を薙ぎ払っていく。光が通過したその後から、追いついたように爆発が発生する。
「ほう……」
それを見て感心したように呟いたのはクロス。その両目は、虹色に光っていた。
「なるほど。あれが本家《光の砲撃》か……『存在の有無を切り替える』《滅元素》搭載魔術回路、《魔剣》の秘奥義……――――っ!!」
シグムントが攻撃の反動で硬直しているその懐に、岩石の様に厳硬な、ゴーレム型自動人形が殴りを入れる。シグムントは大きく体制を崩し、頭上にのせていたシャルは吹き飛ばされてしまう。
「!!」
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