第二十五話 学舎の園
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白井さんが途中まで言ったところで御坂さんの拳骨が落ちる。別に御坂さんには関わってないのに白井さんが暴走モードに突入してしまったようだ。あ、ミサカ経由で関わってるといえば関わってるか。
「いや、これ普通に新品だったし」
俺が自分用に取り出したのは自分が一度試着しているやつだが、それとは別にまだ袋に入ったままの新品を取り出しながら続ける。
「それにこっちはウチもまだ開けてなくてね、初春さん用に貸し出そうと思ってたんだけど、初春さんから返してもらった後にウチが“スカートの中に顔を入れて初春さんの匂いをくんかくんか”すると思われてるみたいだからやめとくわ」
「えぇーっ!! しませんっ! 神代さんはそんなことしませんっ! いや、逆にしてもいいです! してもいいですから私にそれを着させてくださいっ!!」
まぁ、初春さんがこんな反応するだろうというある程度の予測はしていたのだが、さすがにここまでとは思ってなかった。ってか、後半は駄目だろ。
「ちょっと……初春!」
袋入りの常盤台制服へ頬ずりを始める初春さんに若干引きつつ、初春さんから制服を引き離そうとしている白井さんを眺める。
「あー、佐天さん神代さん。シャワー浴びてきたら?」
「じゃ、行ってきます」
「そ……そうですね」
未だにもめている初春さんと白井さんを横目に、俺と佐天さんは御坂さんに言われてシャワーを浴びに向かったのである。
「サイズはどう?」
「はい、サイズは丁度いいんですけど……スカートが短くてスースーします」
シャワーを浴びて着換え終わったところで、御坂さんに聞かれた佐天さんが答える。
「そう言えば常盤台のスカートって短いよねぇ……最初家で試着した時はただのコスプレ制服だと思ったもん。この制服を実際に街で見かけたときは、思わず笑い出しそうになったのを覚えてるわ」
佐天さんの答えを聞いて俺も感想を言った。普通に考えたら、学生服のスカートでこの短さはないだろうと思う。というか、『お嬢様学校』ならなおさらだと思うのだが……。
「この短さはちょっとねぇ、ういは……るぅっ!?」
「はわわぁ〜……憧れのお嬢様、常盤台の制服ですぅ〜」
佐天さんが初春さんに同意を求めようとしたところで驚く。初春さんは俺がシャワーから出た時には常盤台制服に着替えており、自分の世界に入り込んで未だに話しかけても返事がない状態なのである。当然、今の佐天さんの声にも無反応だった。
初春さんが自分の世界から戻ってくるまで待つこと数分、初春さんは着替えただけなので当然のことながら、俺と佐天さんも準備を整え終わっていたので常盤台中学を後にする。俺と佐天さんの汚れた服は常盤台でクリーニングに出したので、受け取るため帰りにも
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