第二十五話 学舎の園
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?」
「こっ……これは……どういうことですの?」
「ちょっ……なんでアンタがうちの制服持ってんのよ!?」
俺の取り出した制服を見て、初春さんと佐天さんは驚きのあまりほとんど言葉にならなかったようで、白井さんは一瞬驚きの様子を見せたものの冷静に尋ねてきて、御坂さんには普通に怒鳴られた。
「ちょっと前に研究所で貰ってきた」
いつもの調子で答える。常盤台をはじめ、学舎の園の中にある学校の制服はもしかしたらそう簡単に外で入手できないようになっているのかもしれないが、以前のシステムスキャンで女物の服を沢山用意されていた中には、今日学舎の園の中で見かけた制服と同じものもあったはずだ。あの中に常盤台の制服はなかったのだが、普通に洋服屋からいくつか持ってきていただけのはずなので、恐らく常盤台の制服も外で入手する方法がいくつかあるのだろうと思っている。まぁ、これを入手した研究所にもあれだけの数があったわけだし、カエル顔の医者だって一応五人分だったと思うけど揃えていたわけだから、多分大丈夫だと思うのだ。
「何で研究所にうちの制服があるのよ!?」
「さぁ、そこの研究所が常盤台の生徒と共同研究でもしてたんじゃないの? まー、制服の発注でサイズをミスったらしくて処分に困ってたやつを貰ってきたんだけどね」
御坂さんに聞かれてサイズミス以外はでっち上げで答える。まぁ、処分に困ってたっていう部分も本当だった可能性が高いとは思うが……。
「その研究所は何処の何という研究所ですの?」
「あー、普通に車で中まで入ったから名前とかも分からないし、場所もねぇ……同じルートを車で走れば分かるかもしれないけど、何処ってのもちょっと分からないわ」
その場所が第何学区だったのか、また研究所の名前が何だったのかなどは全く知らないので嘘はついていない。そして、研究所自体はドラグスレイブによって完璧に破壊した上、土で埋めてしまったわけだから案内する分には問題ないだろう。
「あら、そうですの。まぁ、佐天さんも着替えるとなればうちの制服ぐらいしかありませんし、今回は状況が状況ですから大目に見ますけど、常盤台中学の生徒でもない貴方がその制服を着て町を歩くことは許されませんの。それを着て良いのは特別に今日だけですわよ」
「もちろん分かってますって。今までだってこれを着たのは家の中だけですから」
白井さんってこういう部分には結構うるさい人なんだなぁと思いながら答える。まぁ、常盤台クラスともなると色々あるのだろう。特に常盤台の名を騙った詐欺事件なんて起きたら大変なことである。
「まぁ、神代さんなら……はっ! もしや、スカートの中に顔を入れて乙女の匂いをくんかくんか……」
「やめなさい!」
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