第二十五話 学舎の園
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よね」
「さ……さすがにそこまでは……」
分子レベルでシミュレーションしているというなら当然誰だって気付くはずの疑問だと思うのだが、今まで誰も考えたことはなかったのだろうか。また、初春さんの答えも「さすがにそこまでは私も分かりません」なのか「さすがにそこまでは演算してないと思います」なのか微妙なところだ。
「うへぇ、さすがにそれは気持ち悪いと思わない? 初春」
「た……確かにそうなんですけど……」
佐天さんの言うように、自分がこれからやること全てが“天気予報”で見通されてると言われれば当然気持ち悪いと思う。そして、初春さんもその点には同意のようだ。
「まー、実際のところどこまでシミュレーションしてるのか知らないけど、天気予報が正確無比なことだけは確かだからね」
一応初春さんに対してフォローも入れたところで学舎の園の入り口に到着した。
「常盤台中学一年の白井黒子さんに招待されて来ました。初春飾利です」
「佐天涙子です」
「神代姫羅です」
「はい、確認しました。神代さんは中で男性にならないようにお願いします」
入り口ゲートで係員さんに身分証を提示すると、すぐに俺に対してのみの注意事項が伝えられた。まぁ、白井さんの招待なので事前に俺のことを伝えていたのかもしれない。
「はい、分かりました」
俺が答えると俺達三人は学舎の園の中に通された。
「はぁ〜」
「わぁ〜」
「へぇ〜」
初春さん、佐天さん、そして俺が感嘆の声を上げる。アニメで見ているのでどういう町並みかは知っていたわけだが、やはり実際に見るとなかなかすばらしい町並みである。
「さすが学舎の園。素晴らしいです」
「そうだねぇ。町並みは凄いよねぇ」
「なんか、ヨーロッパに来た気分だね」
初春さん、佐天さん、そして俺と三者三様の感想を述べる。なんか佐天さんの言葉には妙に含みがありそうな気がするのだが気のせいだろうか。
白井さんや御坂さんとの待ち合わせ場所は常盤台中学の校門前であり、学舎の園の中については俺も佐天さんもほとんど知らないので初春さんが道案内役なのに、バスの到着が少し早かったこともあってか初春さんは寄り道ばかりしている。
「ん? なんだか私達、注目を集めてません?」
ちょっとした広場の中を歩いていると初春さんが周囲の視線に気付いたようだ。
「あー、この制服じゃない? 学舎の園の中じゃ外の学校の制服は珍しいんだよ」
「おぉー、確かにそうですねー」
佐天さんがセーラー服の胸当て部分をつまみながら答えると、初春さんも自分の服装を確認して納得する。ってか、自分の服装ぐらい見なくても分かってると思うのだが……。
「あっ、もうこ
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