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虹の軌跡
第六十八話

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何か白いものが横切った

虹太郎
「!?潮見?どうした、忘れ物?」

どうやら、虹太郎が投げたボールのようだ

見ると、ミットではなく、内野手用のグローブを着けている

啓一
「お前こそなにしてんだ?もう練習終わったのに…」

虹太郎
「いや、自分の練習はあまりしなかったから、許可もらって投げ込みをな」

啓一
「投げ込み、か…」

つまり、ピッチャーの練習をしていたことを意味する

要するに、虹太郎は投手経験もあると言うことになる

啓一
「なるほど、キャプテンにフォームのアドバイス出来るわけだ」

虹太郎がボールを投げた先にはコントロール練習用のスト○ック○ウトがある

的は全部で9枚あるはずだが、全て外れていた

啓一
「(持ち球やフォームこそ不明だが、コントロールは良いみたいだな…)式島、良かったらで構わない、球を受けさせてくれないか?」

虹太郎
「え……」


案の定困惑している

啓一
「もちろん、コレは誰にも話さない。何か事情があるみたいだし」

虹太郎
「あ…う…」

あちらこちらに目が泳ぐ虹太郎

やがて

虹太郎
「…わかった」

遂に首を縦に振った

急いで準備した啓一に虹太郎は

虹太郎
「球種やコースは潮見が決めてくれ。出来ないときは首を振る」

それだけ言って構えた

最初は無難に内角にストレート


虹太郎は頷くと投球動作に入った

啓一
「(!!あの構え、アンダーか!?)」
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