天空の巫女と空の鉄壁、灰竜
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擦り寄った。
さらっと凄い事を言い放つティアに全員の視線が集まる。
「無傷?」
「でもアイツ、やっつけたって言ってたよね?」
「どういう事だよ、ティア」
アルカに問われ、ティアは溜息を1つ吐く。
そして面倒そうに口を開いた。
「アイツ・・・エンジェルだったかしら?バカよね・・・私にあんな小細工なしのナイフが通用する訳ないじゃない」
明らかにバカにしたような口調で言い放つ。
・・・が、全くその意味を分かっていない奴等が多いようだ。
「?」
「自画自賛か?」
「違うわよ!」
噛みつきそうな勢いでティアはリオンを睨みつけると、自らの右腕を伸ばした。
その腕が徐々に透けていき、淡い水色の光を映した透明になる。
「私は体を水に変換出来る。その状態なら痛覚を直接刺激されない限り無傷でいられる・・・って、前に説明したと思うけど」
ギロリ、という言葉が似合いそうな睨みをナツ達妖精メンバーへと向ける。
その空気を読んでか否か、一夜が腰に装備していた試験管の1本を手に取った。
「皆さんにも、私の痛み止めの香りを」
そう言うと同時に試験管の栓を抜く。
すると、その中に詰められていた香りが辺りに漂った。
「いい匂い」
「痛みが・・・和らいでいく・・・」
「「「さすが先生!」」」
「また呼び方変わった・・・」
「統一しないと解りにくい気もするが」
ルーシィが呆れたように呟き、ヴィーテルシアが不思議そうな表情で首を傾げる。
「アイツら〜・・・ウェンディとハッピーとルーを・・・」
ナツは怒りを混ぜた声で唸ると――――
「どこだーーーーーー!」
「待ちなさいバカナツ!」
だーっと駆け出していくナツにティアが制止を掛けようと―――その右手に魔法陣が展開されている事から力づくで、だろう―――駆け出しかけた、その時。
「んが!」
ナツのマフラーが後ろからギュッと引っ張られた。
そのままナツはどたんと後ろに仰向けで倒れ込む。
マフラーを引っ張ったのはティアではなく――――羽を生やしたシャルルだった。
「羽!?」
「猫が飛んでる」
「これは翼っていう魔法。ま・・・驚くのも無理ないですけど」
「ハッピーとかぶってる」
「何ですって!」
どこか自慢げに語ろうとしたシャルルはナツの一言に憤慨しながらも、すぐに冷静さを取り戻して口を開く。
「とにかく、ウェンディとルー、オスネコの事は心配ですけど、闇雲に突っ込んでも勝てる相手じゃないって解ったでしょう」
「シャルル殿の言う通りだ。敵は予想以上に強い」
「たった6人でこれだけの人数をものともしないとなると・・・かなり手強いわね」
ジュラの言葉に続くようにティア
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