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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第273話】
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にかなりの腕前のカメラマンが撮ったというのがわかった。

 ……てか、何気に恥ずかしいな、あんな笑顔を撮られたとあっては。

 ……と、静寂に包まれていたホール内が――。


「え……」

「「「ええええええええ〜〜〜〜〜〜っ!?」」」


 全校生徒の女子生徒の叫び声に、ホールが揺れた。

 隣の一夏は、ぽかんと口を開いたまま間抜けな顔をしてる中、全学年の生徒の視線が否応なく俺と一夏に集中していて、流石に気恥ずかしい思いでいっぱいになる。


「静かに。 学園祭では毎年各部活動事の催し物を出し、それに対して投票を行って、上位組は部費に特別助成金が出る仕組みでした。 ――しかし、今回はそれではつまらないと思い――」


 勢いよくセンスで俺と一夏を指す楯無さんは、言葉を続けていく。


「有坂緋琉人、及び織斑一夏両名を――一位の部活動に強制入部させましょう!」


 そんな楯無さんの言葉に、男に勝るとも劣らない雄叫びを上げる女子一同。

 ある者は叫び――。


「うおおおおおおっ!」


 ある者は提案した楯無さんに――。


「素晴らしい、素晴らしいわ会長!」


 そしてある者は野生の咆哮の如く――。


「こうなったら、やってやる……やぁぁぁってやるわッ!!」


 またある者は――。


「今日から直ぐに準備を始めるわよ! 秋季大会? ほっとけ、あんなん!」


 各々の魂の叫び(?)を聞きつつ、頭が痛くなる思いだった。

 ……部活動、女子の大会に男は出れないのは当たり前。

 つまりは労働力の確保だが、各部活動が思い描く構図は、一夏にマネージャーやらせて、俺には大量の雑用――柔道部なら柔道着の洗濯やら買い出しやらをやらされるに決まっている。


「というか、俺達の了承とか無いぞ……なあヒルト?」

「……この世は女尊男卑、選択権も決定権も、全部女の子の掌って訳だよ」


 そう一夏に静かに告げ、楯無さんを見ると俺に気付き――。

「あはっ♪」


 悪びれもせず、ウインクを返す楯無さん。

 頭痛が最高潮に達する中、女子一同のボルテージもヒートアップしていき――。


「よしよしよしっ! 盛り上がってきたぁぁッ!!」

「今日の放課後から集会するわよ! 意見の出し合いで多数決取るから!」

「最高で一位! 最低でも一位よ!」


 ヒートアップした女子を止めることはもう誰にも出来ない。

 美冬の心配そうな視線にも気付かず、頭を抱えた俺を他所に俺と一夏の争奪戦開始の合図が静かに鳴り響く――俺の承諾も無いままに……。
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