01 「戻ってきた日常」
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だとは知っているが、そこに俺が来たからといって何だという話なのだから。
「なのは、急にどこに行くのよ? ……へぇ、あんたもこういうところに来るんだ」
高町に続いて現れたのは、高町を含めた仲良し3人組だけでなくクラスのリーダー格であるアリサ・バニングス。前と変わらない姿勢を取ってくれているが、高町の変化に疑問を抱いている素振りを見せている。
だが俺が高町と同じクラスだということで、きっかけさえあれば親しくなるのは考えられないことではない。それに彼女は素直じゃないため、何があったのかということを聞けないでいるのだろう。
聞いたとしても、魔法のことを話すわけにはいかないため高町は嘘を付くだろう。事件中に一度ギクシャクしてしまったため、当分の間は聞いたりしないだろうが。
バニングスに少し遅れて、月村が姿を現す。俺に気が付くと、笑顔を浮かべて小さく手を振ってきた。高町やバニングスがいる手前、返事を返しづらい。
「まあ時々……」
「ふーん……あたしも結構来るけど、あんたを見たのは初めてね」
「もうアリサちゃん、クラスメイトなんだから仲良くしようよ」
「なのは、あたし別にこいつのこと嫌ってるとか言った覚えはないんだけど?」
高町が誤解したのも分からなくもないが、俺とバニングスの仲を考えれば会話が素っ気無い感じになるのは当然のことだ。
バニングスが高町と会話し始めたため、やっと一息つくことができた。手に持っていたコーヒーを飲んでから、読書を再開する。
「ショウくん、何の本?」
急に耳元で声が響いたため、反射的に身体が震えた。声や本に興味を持ったところから、話しかけてきたのが月村だということは間違いない。
大人しい性格をしているのに意外な行動を取る子だな月村は。まあ、この見た目で体育が得意ってことからも意外なことが多い子ではあるのだろうが。とにかく、そっと近づいて耳元で囁くのはやめてほしいものだ。
「何の本って……」
あの子に進められて読んでいる本であるため、普段読んでいる工学系や料理系のものではない。口で言うよりも読ませたほうが早いと思った俺は、本を彼女に渡すことにした。
「……ショウくんってこういうのも読むんだね」
「まあ……友達に進められたからには、とりあえずね」
「え……」
「何?」
「う、ううん、何でもない!」
驚いたような反応をしたので聞いてみたが、月村は慌てながら否定してきた。
おそらく友達って言葉に反応したんだろうな。俺には学校で休み時間の度に話すような人物はいないから。友達がいないとまでは思われていなくても、友達は少ないとは思われていることだろう。それに自分から友達がいると言ったこともなかったから、月村は今みたいな反応をしたんだろうな。
「なのは
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