暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
01 「戻ってきた日常」
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 事件終了後、叔母は仕事が一段落したということで家に戻ってきた。最初は説教をしそうな勢いがあったが、頭の回転が速いだけに自分にも責任があることを理解し、結果的に無事でよかったという一言で終わった。
 これで俺の日常もジュエルシード事件前の平凡なものに戻る。そんな風に思っていたが、多少の変化が起きてしまっている。
 まずは叔母が事件前より俺に構ってくるようになったこと。
 俺の代わりに買出しに行くと言ってくれたりするのだが、叔母は仕事はできるが家事ができない人だ。叔母だけに行かせると、あとで俺がまた買いに行く可能性が高い。そのため、普通の親子のように一緒に買い物に行くようになった。はたから見た姿は親子でも、会話を聞けば親と子の立場が逆だと思われることだろう。
 他にも仕事の合間にこれといって用もないのに連絡してくるようになった。地球から仕事場に行って人の何倍も仕事をこなしているのだから、休憩はきちんと取ってもらいたいというのが俺の本音だ。
 まあ、叔母は集中すると何日も徹夜してしまうような人であり、自分の手が必要な場合は必要がなくなるまで家にさえ帰ろうとしない人だ。このせいで俺の連絡が叔母の耳に入らなかったわけだが……終わったことをぐだぐだと言っても仕方がないため、これ以上は言わないでおく。

「いらっしゃい……あら、ショウくんじゃない」

 翠屋に入ると、桃子さんにまず声をかけられた。彼女は温かい笑みを浮かべながら俺の傍まで来ると、目線を合わせるためにしゃがんだ。

「ふふ、来てくれて嬉しいわ。……今日はひとり?」

 連れがいるか聞かれたのは、ジュエルシード事件が終わってから叔母と何度か来ていたからだろう。
 桃子さんは俺の両親と面識があり、特に母さんと親しい間柄だった。だから俺の両親がすでに亡くなっていて、叔母が面倒を見ているということを知っている。叔母とは両親のことや俺のことで話がしたいのだろう。

「はい、忙しい人ですから」
「確かにね……聞きたいんだけど、ちゃんと寝てる?」
「寝てますよ……ここ最近は」

 叔母は過度な睡眠不足でひどい隈ができている。睡眠不足は俺の保護者になる前からなので、隈を完全に無くすには、長期間きちんと睡眠を取らないといけないだろう。叔母の仕事量を考えると無理に近いが。桃子さんもあそこまでひどいと少し寝たくらいじゃ治らないと考えたのか、苦笑いを浮かべている。
 最近は何が売れているのか、新作はあるのかといった会話をしながらも、桃子さんは俺をきちんと空いている席に案内する。

「注文は何にする?」
「そうですね……桃子さんのおすすめをひとつと、コーヒーで」
「分かったわ」
「……あの、何かおかしなこと言いましたか?」
「別に言ってないわよ。ただ、君くらいの子は普通コーヒーは
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