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lineage もうひとつの物語
オーレン戦役
異変
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かはわからないけどね。」

そういえばとアイスクイーンは考える。
デーモン出現の時と同じ魔力だったように思える。
この一連の事態は一人の手によるものなのか。
それとも偶然なのか。
各地で出現している伝説級のモンスター達にも関係あるのでは?
そしてアイスクイーンは違和感を感じる。

「デーモンの封印が危ない!何かが外から干渉しておる!」

そう言い残しアイスクイーンは飛び出して行きタラスも後を追いかけた。




村の野営病院。
ここはヒールの魔法では治せない怪我人が集まっていた。
一見便利に見えるヒールという魔法だが常に危険がつきまとう。
掠り傷や切り傷、火傷等という表面の怪我ならヒールできれいさっぱり治るだろう。
しかし腱や筋肉の断裂、骨折、内臓の損傷などはヒールで強制的に治してしまうと外傷のみが塞がり出血や痛みがないだけで体の内部はそのままの状態を正常として受け入れてしまう事が極稀にあるのだ。
そうなってしまうと外科手術でも治療は難しく損傷の部位によっては死に繋がってしまうこともある。
ヒールは外傷と体力回復が主であるのは一般知識として全員がもっているのだ。
そういった状況から医者という職業が魔法の存在によって追いやられることはなく全ての街や村に数名は居を構えている。
そして村の広場に展開している野営病院では各部隊が連れてきた医師と村の医師が共同で治療にあたっていた。
ナターシャを交えた医師の助手達が運ばれてくる負傷者を怪我の程度で振り分け医師達は重症者から治療にはいる。
外科的な処置を施した後にウィザードがヒールで傷を塞ぐという連携で効率は上がっているが次々と運ばれてくる負傷者に追い付いてはいなかった。

「大丈夫です。必ず助かりますからね」

左半身が血に染まり肩を大きく切り裂かれたナイトの手を握り必死に語りかけるナターシャ。
そうやって順番待ちをしている重症者に一人一人語りかけ時には寄り添い励ましているのであった。

「お医者様が来ましたよ。ほらね、大丈夫だったでしょう」

柔らかな笑みをもって語りかけ医師と交代するナターシャにナイトは感謝と安堵の涙を浮かべながら頷き治療の邪魔にならないよう目を閉じた。


「ナターシャさん、少し休んでくださいね」

助手と思われる女性から声を掛けられたナターシャは首を振って丁寧に断る。

「いえ、戦っている人達を思えばどうってことありません。語りかけることによって少しでも苦しみが和らぐのなら休んでいる時間なんてもったいないでしょう?」

「わかりました。でもあまり無理はなさらないでくださいね」

女性は何度か声をかけたが一度とてナターシャは頷いたことはなく半分諦めていた。
そうしているうちに治療を終え動けるようになった
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