〜プロローグ〜嵐の前兆に誰も気づかない・・・。前編
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、出来る子という割にちょくちょくドジる。
別にそういうミスはままあるため問題ではないのだが、
どういうわけか、俺が傍にいる限定でやらかす頻度が異常に増えるので始末に負えない。
「それをフォローするのが兄の義務というもんだろう?」
当たり前とばかりに親父がそんなことを言う。いちいち妹の面倒など見ようものならこっちの身が持たない。
それは結月がトラブルメーカーだと気づいたときに嫌というほど経験してわかった。
「まぁいい。お前たちが問題を起こして俺たちの仕事を増やすことだけはしないでくれ」
結局のところはそうなるわけで。
「で?引越し屋はいつく来るの?」
面倒な話題を打ち切り、本題を切り出す。いつから読んでいたのか、親父のその手には顔を覆うように新聞が大きく広げられていた。
「一応午前中、ということになっている。が、俺もいろいろ手続きがあるのでな。後のことは妻に任せている。だがまぁ、お前たちに出来ることなんて大したことはないだろ。遅くても午後までには荷物を運んでもらう。電化製品の多くは新しく買ってあるからな。こっちにあるもんはすべてリサイクルに回す。あとはお前たちの荷物だけだ。先にむこうに行くもよし、こっちで別れを惜しむもよしだ、好きにしなさい」
そう言って、親父は新聞を綺麗にたたむとおもむろに立ち上がる。それから二、三言、台所にいる母さんに何かを言ってからバック片手に玄関へと歩き出した。
親父との会話ですっかり止まっていた箸をようやく動かして俺も冷めつつある朝食に手を伸ばす。
隣には既に綺麗に食べ終わった妹の食器だけが残されていた。どうやら俺と親父の会話の間に済ませてしまったらしい。
母さんも台所のほうが終わったのか、こちらへやってきて向かいの席に腰を降ろす。
「それで月架?あなたはどうするの?」
母さんもようやく朝食をとり始める。箸を静かに動かしながら俺にそんなことを問い掛ける。
「どうっていわれてもな。別段俺にやれることなんてないし。結月はなんて?」
おそらく、結月は母さんのところに言ってるはず。あれでも気の利くやつだ。手伝いがてら何か話していてもおかしくはない。
「ゆづちゃんのほうはあなたと一緒がいい、だって。どうあってもあなたと離れたくないみたいね。強いて言えば引越し先の近くで美術展があるからできたらそこに行きたいって言ってたわ」
うちの母さんは妹の結月を「ゆづちゃん」と呼んでいる。別に大した意味はないんだとか。
ただ、そう呼ぶほうが可愛いとかなんとか。俺からすればすごくどうでもいいことだが。
「あっそ。まぁ別にやることもないし妹のわがままに付き合わされるのには慣れてるし」
「素直じゃないんだから。暇だから行ってくる、って言えば早いのに」
なんて小さく微笑してそんな事を言う。
「うっせ」
そして俺は小
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