〜プロローグ〜嵐の前兆に誰も気づかない・・・。前編
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ゆる物事に動じず、冷静に対応するその力量と判断力、
おそらく、学校などではなかなか学ぶことのできない事を習得しているからである。
そして俺もそれらを習得すべく独学で調べていろいろやっている。その一巻として朝のトレーニングなのだ。
小さくあくびしたあと、洗面所で顔を洗い、トレーニングにいつも使うウィンドウブレーカーを身に纏う。
それから静かに家を出る。何せまだ早朝の4時なのだ。家族は皆、寝ている。
ルートはこの家からこの街の駅までの一直線を二往復。約二時間ほどである。
だがしかし、今日はそのトレーニングがある意味最後ではある。それからしばらくランニングをして来たあと時間を見て帰宅。
そのまま筋肉トレーニングに入る。腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワット。などをそれぞれ20回を3セット。
これを今までも毎朝続けてきたのだ。体力や持久力はあらゆるところで必要不可欠なものだからだ。
それらのトレーニングが終わると、シャワーを浴びて汗を流し、いつもなら制服に着替えるところだがまだ春休みは終わっていないのでその必要はない。そのため、 適当な私服を選んで着替える。
そこでようやくダイニングに向かう。流石に朝の七時ともなれば皆起きてきている。
すでに朝食がテーブルの上に並べられており、妹の結月や親父は席に座っていた。
母さんが未だ台所で忙しく動き回っていた。
「お前もよくやるよ」
月架の姿を見やるなり、開口一番にため息混じりにそんなことを愚痴る親父。
「いいだろ別に。俺の好きでやってるんだからな。親父にとやかく言われる筋合いはない」
と、やや語気強めに言い放つ。
「別に構わん。体力作りは今のうちにしておくということに関してだけはな」
そう親父が意味深な事を言う。
というのも、俺が探偵稼業に興味を持ち、それに憧れ、なろうとしていることに非常に快く思っていないのだ。
「いいじゃないですか。お兄様が好きにやっていることなんですし」
と、妹の結月がなんとも頼りないフォローをする。
「それでこっちの仕事邪魔されちゃあ困る」
そう、どういう因果か、偶然親父が捜査している案件に月架が巻き込まれ、その巻き込まれがてら、事件を月架解決してしまった。
そんなことが何度かあった。
その話は警察署内でも話題になっているのだと親父は以前愚痴っていた。
かくいう俺もちょっとした実力を試す感覚でやっている。
「あまり警察のやることにちょっかい出すなよ?変な噂が流れては俺もやりづらい」
と、釘を刺すようにして言う親父。
「と、言われてもな。妹同伴じゃ俺にもどうもならねぇんだわ」
結月がトラブルメーカーだということに気づいたのはつい最近のこと。
俺の母もやれば出来る子だと説明していたがどうにも頭のネジが数本緩んでいるらしく
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