番外4話『ウイスキーピークの夜』
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と思うぐらい好きだ。
ナミのう○こなら食べ……あ、やっぱこれは無理そうだけど。
まあ、でも誰に何を言われようと好きなものは好きだ。
気づけば好きになっていて……8年ほど会えない時間もあったけど。その間にも俺はナミのことを忘れたことなんかなかった。ずっと頭の片隅にナミがいて、どんな女性になっているかを想像したりして、いざ会ってみると想像なんか比べられないくらいに美人になっていて。
けど。
「先約がいるんだもんなぁ」
ナミには先約なる人物がいる。
俺の会えなかった8年の間にできた先約なる人物が。
ナミの好きな人と一緒にいるのがナミにとっていいに決まっている。ナミに好きな人間がいるのなら俺の出る幕なんかない。俺が今ここにいるのはルフィが誘ってくれて、ナミの側にいれたらいいと、ただそれだけを思ったから。
別にどうこうななろうと思ってこの船に乗ったわけじゃない。ただの兄でもいいと思ってこの船に乗ったのに……態度をどうするかなんてもう決めていたのに。
それなのに、俺はいまだにどうしたいかを考えている。
師匠がいたら『情けない』と笑い飛ばされそうだ。
ベルメールさんには『情けない』と、げんこつをもらいそうだ。
「ホント情けない」
ルフィたちが騒いでいる酒場から聞こえる喧噪のなかで、今もナミは笑っている。きっと楽しく酒を飲んでいる。
それが全て。
そう、それが全て。
「……邪魔だけはいけないよな」
ナミを困らせることだけはしたくなかった。
だから、答えは一つだ。
「……悩むことなんてない」
それを言い聞かせて、ずっと片手で遊んでいた酒の盃を飲み干す。
「……諦める。この想いは今日で最後」
左手の残っていた酒瓶の蓋をあけ、それを一気に飲み干そうとして「こんなとこにいたの?」
「!?」
両腕に酒瓶を数本ほど抱えたナミがそこにいた。
酒に強いはずのナミの白い肌を染める微かな赤が、月光に踊るように照らされている。
うむ、色っぽい。
諦めると決めた瞬間にそんな色っぽい姿で登場するのは本当にやめてほしい。
「一人で船番?」
「ん、ああ……まぁそんなところかな。ナミはどうしたんだ?」
「どうしたって……ハントがいなかったから探しに来たの」
「ぇ」
ドキリとさせられることを平然と言ってくれる。「はい」とナミに差し出された酒瓶の一本を受け取りつつも「ちょっと飲みすぎじゃないか?」と尋ねてみる。
「んふふ、まだまだいけるわよ?」
俺の隣に腰を落ち着けて、赤く染まった頬を緩ませてどこか自慢げに笑うその姿がどことなくベルメールさんを彷彿とさせるもので、ついつい笑いそうになってしまった。けど、それがあまり良くな
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