二章 幕間劇
織田家中への挨拶
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壬月様が悪いですよ」
「うん。悪い」
今の言い方は詩乃じゃなくてもビビると思う。俺は平気だけどな、無論俺の部下達もな。
「むぅ・・・・。そんなつもりではなかったのだが」
「とにかく詩乃、これからよろしくお願いしますね?」
「・・・・・(コクン)」
優しく言った麦穂にも、小さく頷く詩乃だった。で、今は庭にいた。壬月達の話だとこの辺りのはずだが・・・・。
「詩乃、疲れたか?少し休むか?」
「・・・・平気です」
俺はそうかと言いながらも手を繋いでな。あと人見知りするから、しばらくは城に用がある時はなるべく詩乃と一緒の方がいいなと思ったらいたいた。
「お、いたな。おーい、久遠」
「どうした、一真?」
「どうした、じゃないよ。この子と面会する約束だったろ?」
「そうだったな。今日は竹中半兵衛を城に連れてくる約束だったな」
「あなたが・・・・織田三郎殿ですか?」
「うむ」
「久遠。改めてだが、こちら竹中半兵衛重治」
「通称、詩乃と申します。・・・・よろしくお引き回しのほどを」
「我は織田三郎信長。久遠でよい」
なんか空気ピリピリしてきたのは気のせいか?
「詩乃よ。一真から聞いたが、我には才の一部のみ捧げるそうだな?」
「・・・・はい」
しばらく無言が続いたが、先に口を開いたのは久遠だった。そのあと俺の事について、我が才の全てを捧げてと言っていた。あの時もそう言ってたからな、改めて久遠の目の前で言われると少し恥ずかしいような。
「しかし、これで新加納にも改めて決着がついたな」
「どう言う事?」
「あの戦は、確かに我らの負けた。そこの詩乃の策によってな」
今度は俺の背ではなく、俺の服の袖にしがみついた。
「そう怖がるでない。勝敗は戦の常、今更どうこうなどと言わんわ。だが、そこで猛威を振るった美濃の今孔明は、今はこうして我のもとにおる。これを勝ちと言わずして何と言う?」
あー、気にしてないと思っていたがめちゃめちゃ気にしてるんじゃん。
「そういう訳だ。貴様の才の全てを賭けて、我が恋人を手伝ってやってくれ」
「・・・・・(コクコクコクッ)」
笑みを見せた久遠の言葉に、詩乃はきっちり三度首を縦に振った。久遠との顔合わせも無事に終えてから、俺と詩乃は長屋に帰るため城下町を歩いていた。
「よろしいのですか?一真様」
「ああ、城の仕事はほぼ終わらせているから。それより初めて会ったから疲れたろ?」
「・・・・はい、少し疲れましたし緊張してました」
まあ、しょうがないと思うな。久遠に会う前から、濃いメンツばかりだったからな。三若ならともかく壬月と麦穂にはな。
「それよりも・・・
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