二章 幕間劇
結菜の料理
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「あ、お頭ー」
「おお、二人共どうしたんだこんな所で」
長屋や市ならともかく、こんな町外れで会うのは珍しい。
「ちょっと向こうの村に用があって。お頭こそどうされたのですか?」
「もしかして遠乗りでもしてきたんですか?」
「まあな、結菜から屋敷に来いと言われたから海に行って新鮮な魚を取ってきた」
その魚はアイスボックスに入れてあるけど、バイクの荷台に置いてある。
「そう言えばさっき寺に寄ったのだがな、新しく来た坊さんがいたんだが、尾張も噂ほど恐くないですねと仰ってたから気にはしてたけど何か知ってるか?」
「ああ・・・・」
「それは何か知ってる口だな」
「それ、たぶん長島の噂じゃないかと」
長島って確か墨俣より下流辺りにあるけどそれがどうかしたんだと聞いたらこう答えてきた。
「そこで起きた騒ぎを平定するのに、一人で二十七人もの首を刎ねたっていう将の話がありまして」
「何だその恐い話は」
まあたぶんあれだろうなと思った。まだ出てきてない人物だと思うから言わないけど。
「そういえばお頭、あの時は心配しましたよ。一人で行くなんて」
「ああ、あの時な。だが詩乃を失いたくないと思ってな、これで急発進したけどな」
「お頭は一人でしょいこみすぎなんですよ」
「しょうがないだろう、あの時は俺の部下を出したくなかったしな。それにこれで充分だったし」
俺は拳銃をひよところに見せた。ひよところは、何でこんなに小型何だろうなと思っていたけど。まあいいやと思って、俺は二人と別れてバイクに乗って久遠の屋敷に向かった。
「ただいまー」
「お帰りなさい、その持ってる物は?」
「ああこれか、いやなーに結菜に呼ばれたから土産くらいはと思ってな」
「へえー、その箱に入っているんだ。じゃあ屋敷に入ってもいいわよ」
といって俺は中に入った。部屋に入るとなぜか久遠もいたけど。
「おう一真か。どうした?」
「結菜に呼ばれてきた」
「そうか、それよりその箱はなんだ?」
「私も気になっていたけど何なのそれ?」
「これか。これは新鮮な魚を入れる物だ。あと豆腐もだが」
「魚はわかるけど豆腐って僧の食べ物じゃない」
「いや結菜。一真が作ってくれた豆腐が入った味噌汁は絶品だったぞ」
とか言ってくれた久遠。結菜は信じられないと顔をしてたが、俺が本当の事だと言うとそうなんだーと言ってた。あとアイスボックスの中身が見たかったらしいから、開けたら新鮮さはまだあった。今日獲ってきた物はタイにヒラメやあとタコかな。という事で、今は昼だから折角なので結菜が料理を作ってくれる事になったが、魚は俺が捌く事になった。結菜の隣で黙々と魚を捌く俺を見る久
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ