番外編:バレンタインだよドーラちゃん
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てはおるが!!その格好が似合いすぎておるがゆえになんとも倒錯的で、……や、やめんか!何やら、目覚めてしまいそうじゃ!!」
「先生?……受け取って、頂けないんですか……?」
「や、やめんか!!その悲しげな顔は、本格的に何かが目覚め、いやいや受け取る!!受け取るゆえ、もう行くが良い!!」
「本当ですか!?良かった!」
悲しげな顔から瞬時に輝く笑顔になり、そっとベネットじいさんの手を取って包みを押し付けるドーラちゃん(男装中)。
「……!!」
「お口に合うといいんですけど。それじゃ、今日はこれで。また明日、よろしくお願いしますね!」
真っ赤なベネットじいさんに、最後に至近距離でニッコリと微笑みかけて去っていくドーラちゃん(男装中)。
魂が抜けたようにヘナヘナとしゃがみこむベネットじいさんを、モモちゃんが気の毒そうにみやります。
「……わしは…………わしは…………」
『……大丈夫、ベネットさん。こんなにキレイな男の人も、こんなことするキレイで可愛い女の子も、他にいないから。ドーラちゃんが特殊なだけだから、絶対に大丈夫だから……って言っても、わかんないよね……』
「モモー?行くよー?」
『あ、うん。今いくー』
モモちゃんの言葉が伝わればベネットじいさんが悶々とする時間も少しは短縮されたと思われますが、残念ながらこのまま放置です。
ベネットじいさんを放置して、宿屋に戻ります。
早速みんなの元に向かおうとするドーラちゃんを、モモちゃんが引き留めます。
『待って、ドーラちゃん!』
「なに、モモ」
『着替えてから行こう!』
「え?このままでも」
『ダメ!!男装のままヘンリーさんにそれを渡すなんて、絶対にダメ!!ベネットさんみたいには間違ってもならないけど、台無しじゃない!!』
「台無しって何が」
『感謝の気持ちを示すんだから!!ヘンリーさんが、ちゃんと喜んでくれるようにしないと!!だから、着替えて!!』
「……そっか。ヘンリー、私の男装イヤみたいだもんね。じゃあ、そうしよっかな」
『ちゃんと、可愛くしてね!』
「わかった」
ドーラちゃんとモモちゃんの二人部屋に戻って、ドーラちゃんの服を選びます。
「どれにしようかな……どれでもいっか」
『またそんな適当な!勝負なんだから、ちゃんとそういうの選ばないと!』
「……勝負?」
『あ、これなんかいいんじゃない?可愛いし、ちょっとセクシーだし!ハートのモチーフとか、バレンタインにぴったり!』
「……可愛いけど。ちょっと、露出多すぎない?これで一人で出歩いたら、逆に怒られそう」
『……そうかも。あたしが一緒だし、隣の部屋までだけど。こんなに可愛くてセクシーなドーラちゃんが、一人で歩いてたら危ないよね……
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