第三章 始祖の祈祷書
第二話 ルイズの恋心
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の話の中で、士郎が言った『自分のことをあまりにも知らなすぎていたんだな』との言葉を思い出すと、自然とワルドとの結婚式の際、結婚の誓いを拒否した後の、ワルドの言葉を思い出していた。
ワルドはあの時言っていた、『きみは始祖ブリミルに劣らぬ、優秀なメイジに成長するだろう! 君は自分で気づいていないだけだ! その才能に!』と、先程の士郎と同じようなことを。
士郎は何か知っているの?わたしの系統って……。
でも、わたしは四系統の魔法のどれもだめだった…本当にあるのかな、わたしの系統……。
「……」
「はあ……まったく、何か知っているのなら言いなさいよ」
ルイズは、のんきな顔で眠りこける士郎を見てため息を吐くと、撫でている手を止め、眠りこける士郎の額を人差し指で軽くつつく。
いつも気配に敏感で、ちょっとした物音にも反応するにも係わらず、ルイズの悪戯に起きない士郎を見たルイズは、どこか微笑ましいものを見るような顔をすると、また士郎の頭を撫で始めた。
「意地悪、ね……でも……」
ルイズは目を閉じる…思い出すのはアルビオンを脱出する際に見た夢。
今の自分のように眠る士郎を撫でながら、話しかけている女性が現れた夢……。
あの女の人が一体何者か分からないが、ただ士郎の事を大切に思っていることは痛いほど感じた。
段々と士郎との距離が短くなる。
それでも、気付いてしまったのだ。
心臓が痛いほど高鳴り、頭がボーとする。
自分の気持ちを……シロウに恋していることを……。
思考がまとまらなく、取り留めのないことが頭を過ぎる。
だから、とめられない……とまりたくない……
そして、士郎とルイズの距離がゼロとなる。双月の明かりに当てられて、現れる二つの影が一つになった。
その瞬間、ルイズの周りから音が消えた……虫の音も風の音も……その代わりに、ルイズの心臓の音だけがうるさいほど高鳴っていた。
「シロウ……好きよ……」
双月の明かりに照らされ、浮かび上がる影が二つに分たれた。
二秒にも満たない短いキス、それでもルイズにとっては永遠にも感じるほどの長さだった。
士郎を見つめるルイズは、瞳は熱にうかされたようにぼんやりとしており、体は緊張と興奮の汗で濡れた体に服が張り付き、下着を着ていないためか、体の線がはっきりと見えている。
そして、惚けたよう顔で頬を桃色に染め、無意識に唇に手を当て、士郎を見つめるルイズのその姿は、まだ少女としか言いようのない体つきにも係わらず、酷く扇情的であり、男の欲望を強烈に刺激するものがあった。
私は士郎が好き……
そんな様
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