第三章 始祖の祈祷書
第二話 ルイズの恋心
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どうしよう……
ルイズの様子が変だ……
アルビオンから学院に戻ってきてから、ずっと困惑が続いている。
理由ははっきりしている。アルビオンから帰ってきた翌朝から、ルイズの態度が変わったことだ。
一言でいうと、やたらと甘えるようになったのだ。
確かに以前からルイズには、時折甘えてくるようなことはあったのだが、最近のルイズの態度は少し? 度を越していた。
例えば……朝いつも通りルイズを起こすと、ルイズは眠そうに目をこすりながら俺の服の袖を掴むと、甘えるように寄り寄ってきたり、以前まで顔を洗うのは自分でやっていたが、急に使い魔の仕事の一つだと言って、俺に洗わせるようになった。
例えば……夜寝る際、俺はドアの近くに布団を敷いて寝ていたのだが、使い魔の仕事だと言われて一緒に眠るようになった。
もちろん、最初断わった。しかし、ルイズにすがり付くようにして抱きつかれ、涙で潤む目で上目遣いに見上げられ、震えた声で「ダメ…?」と言われ続けたら、さすがに断ることは出来なかった。
例えば……アルビオンから戻ってきてから俺は、アルヴィーズの食堂で食事をとるようになったのだが、いつもルイズの横で食事をとるよう指示されることだけで無く、たまに……
「ほらシロウ、これも美味しいわよ。口開けて、ほらあーん」
なんて言っては、ご飯を食べさせようとするようになった。
ハッキリ言ってこれが一番辛い……何といってもアルヴィーズの食堂は人が多い、その中での『あーん』だ、視線が痛すぎた。特にロングビルとキュルケのこちらを見る目が、痛みを伴うほどの視線を向けてくるのがキツかった。
一体どうしたんだルイズは……
今、士郎の目の前では、ルイズがクラスメイト達に取り囲まれていた。
ルイズが教室に入るやいなや、すぐにクラスメイト達がルイズを取り囲んだのだ。
これはルイズだけで無く、キュルケたちも同様であった。
ルイズ達がアルビオンから戻ってきてからずっと続いていることだった。
どうやらクラスの何人かの生徒たちが、士郎たちが魔法衛士隊の隊長である、ワルドと共に魔法学院から出ていく所を見ていたことから、ルイズ達が学院を数日空けていた間に、なにか危険な冒険をして、とんでもない手柄を立てたらしいという噂が流れたため、それを確かめようとクラスメイト達が質問攻めにしたのだが、ルイズが何も話さなかったことから、あれから数日経ったにもかかわらず、ルイズから何かを聞き出そうとするのを続けているのだった。
士郎が教室の中を見回すと、キュルケとタバサ、ギーシュはすでに席についており、その周りにも、やはりクラスメイトの一団が取り囲んでいたが、その大部分は女生徒であった。
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