九対一
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ら。
毎日のように開かれる舞踏会で意見交換がなされ、最終的に重要会議に参加する十人の話合いによって結果が出ます。
つまり自分の意見を通したければこの十人にかけあっておく必要があります。
私も五年ほど前から参加させられているので、かけ合われることも多いです・・・・」
なかなかお嬢様らしい大変な悩みだ。
ここまで人が集まって話し合われる議題を最終的に取りまとめる十人。
その内のひとりに入っていることはきっと明にとってとても憂鬱なことだろう。
明の身をふと案じていると、いつの間にか集会場が段々静かになっていくのがわかった。
話していても流石は名門、ものの二十秒で集会場は沈黙のものとなった。
そこで集会場の奥にあるステージのような場所の幕から五十代前後の日焼けした男性が出てくる。
「さぁて。20××年度の集会を始めますよぉ〜。
みなさんあーゆーおーけぃ〜?」
この雰囲気に似合わないダルさとふざけさ。そしてカタカナ英語。
この男は一体なんなんだと思っていると、
「では、集会を開催しま〜す!かんぱ〜い!」
勝手に集会を始めやがった。
年に合わない言葉遣いとはつらつとした表情。その変化、声、身体。そんな元気な司会がまた何かを言っている。
「え〜と今回の議題は・・・・・・『神条家の軍備拡張』・・・でよろしいでしょうか?」
自身なさげに周りの人に確認するのもこれまたウザい。
「では、今回の議題について一言、神条総帥にもらいたいと思います」
わあああああああ
ここで拍手が巻き起こり、幕から人影が現れる。
俺的にはなんというか拍子抜けだった。
今まで、とてつもなく凄い人だと聞いていたので、イメージが少し違っていた。
スーツと靴と金時計をし、髪を丁寧にまとめていて、今この状況でかなり多くの人がしている格好だ。
表情は温和そうで、ニッコリと微笑んでいる。血筋だろうか、顔も美形だ。
そんな総帥が司会からマイクを受け取り、皆に向かって語りかける。
「今回の議題についての発言を、と言われているので簡潔に言わせてもらいますね。
まず、今回の議題の必要性についてですが、これは我々霊能力者の一家として、二つの組織から狙われているからです。
一つは、日本政府及び外国政府。
前からご存知の通り、政府は私達をけむたがってます。
次に、死神。
我々の部下の掴んだ情報によると私の娘の住む別邸も襲撃されたようです。
そこで、この二つの組織に対抗するための軍事力を得なければいけないと私は判断しました。
このたび、この議題に関しての解決策が存在します。
だから実際、今回の議
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