5日目
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(面倒な事になった.....)
彼は宿屋の自室で一人ため息を付いた。
(昼間の決闘で力を示しすぎた。必要以上の強さは新たなトラブルの種になる.....内心では理解していたが、やはり圧倒的な力を持った者として少し誇示欲が出てしまったのかもしれない。)
反省しなければな......
「え?何がですか、カゲヌマさん?」
隣のベッドに座りながらユーハが顔を上げた。
きょとんとした表情でこちらを見てきたので、八雲は軽く首を振った。
何でもない。それより準備は出来たか?
「はい!」
なら、行こう。
「私達のパーティーに入りませんか!?」
「あっ!待てよ!なあ、俺達のパーティーの方が人数も多いぞ!」
「お前ら!抜け駆けするなよ!」
宿屋から出るといくつかのパーティーが我先にと八雲に勧誘を持ち掛ける。
(またか....本当に面倒だ)
決闘が終わってから、八雲へのパーティー勧誘があからさまに多くなった。
理由としては、この町に中堅以上のパーティーがいない事が大きく起因していた。
そのため、中堅の中でも、名の知れた熊の爪のリーダーを倒した八雲を仲間にしようとするのも頷けたが、当の本人はそんな気などさらさらない。
なら。
八雲は小さく息を吐くと昨日と同じように口を開いた。
なら、俺に勝てたら仲間に入ろう。
「うっ....それは」「ちょっと......」「なぁ.....」
八雲がそう言うとあからさまに顔をしかめる中堅パーティー達。
そうして、しばらく悩むように中堅パーティー達は八雲を見るが、やがて蜘蛛の子を散らすようにギルドの方に向かって歩いていった。
「八雲さん。」
気にするな。
ユーハの言いたい事が分かり、八雲はギルドに向かって歩き始めた。
ユーハ、ゴブリンを見つけた。あの林の向こうだ。
ゴブリンの使う舗装された道を使わず、獣道を先行していると狩りをしているゴブリン達に遭遇した。
ユーハも言われた方向を見て、八雲を見る。
「はい、数は.....前より少ないですね。どうしますか?」
実戦経験は積んでいた方がいい。いざとなった時にも対処できるようにな。
「.......」
不安か?だが、これからは戦闘が多くなってくるのは必然だ。奇襲ばかりできる訳じゃない。死にたくないなら戦闘経験は欠かせない、分かるな?
ユーハは少し顔を青くしていたが、意を決したように大きく頷いた。
「はい。」
いい返事だ。では、行こうか。
いつものように輝彩滑刀を出し、光の流法で刃から光を放ち、ゴブリン達に存在を知らせる。
「ギギィ!」
来るぞ。構えろ。
光が消えると八雲達の存
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