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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第8章 そして、伝説へ・・・
第参話 宴のあと
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(・・・・・・)
(もし、元の世界に戻っても、体がなければ魂がさまようことになります)
(・・・・・・10年以上たてば、もう身体は残されていないか)
俺は、表情を曇らせる。
あちらの身体の状況はわからないが、おそらく生きてはいないだろう。

(こちらの世界と、あちらの世界の流れは違います)
(なに?)
(理由は断定できませんが、常時世界がつながっていないため、不安定になるようです。こちらでの一年があちらでの数時間だったり、その逆が起こったりしています。
ここ、最近のじょうきょうであれば、おそらく、あなたがこちらに来た時期と数日程度しか変わらないでしょう)
(そうなのか!)
(もっとも、正確なところは能力を取り戻してみないとわかりませんが)

俺は、元の世界に戻った場合のリスクを考えた。
それでも俺は、最初に考えたことをそのまま願いにした。
(別の世界からこの世界に来たもの達が望むなら、元の世界に戻れるようにお願いできますか)
(わかりました。
それが、願いであるのなら、問題はありません)
ルビスは、俺にやさしく微笑んだ。
(ありがとうございます)
俺は、深く頭を下げる。

(あなたは、いつ戻りますか?)
(そうですね。
すぐにではなく、一段落ついたら呼びかけます)
精霊ルビスの問いかけに、俺はゆっくりと応える。
(わかりました。
願いを叶えるときは、先ほどお渡しした聖なる守りを握りながら強い気持ちで呼びかけてください)
そうして、俺は願いを告げたのだった。



「もとの世界に帰還すること」
この願いは叶えられた。
三姉妹はすぐに元の世界に戻ったのだろう。
元の世界でどうなったかのはわからないが。

とりあえず、勇者からの話を聞いたときは正直ほっとした。
タンタルの気持ちはわからないが、俺は三姉妹と敵対するつもりはなかった。
直接被害を受けていないこともあるが、物理的に今の俺たちには勝ち目がないからだ。



俺は、目的地に到着すると、袋から聖なる守りを取り出した。
聖なる守りは、静かな輝きを放っていた。
「お別れだな」
(ルビスよ聞いてくれ)

(待っていました。
アーベル)
(ルビス・・・・・・)
ルビスは、即座に対応してくれた。
ルビスの声は、最初の時よりも、艶を増し、輝いているようにも感じられた。
力を取り戻した影響だろうか。
姿を確認する術はないが、声にあわせて若返ったのかもしれない。

(感謝します、アーベル。
よくぞ、ゾーマを倒してくれました)
ルビスは丁寧な言葉で俺をねぎらう。
(俺だけじゃなかったけどね)

そういえば、他の三人はどんな願いをしたのだろうか?
まあ、知ることはないだろう。
俺も結局、三人に伝えるこ
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