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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第8章 そして、伝説へ・・・
第参話 宴のあと
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は今日までがんばったのだ。
俺の頬から、涙が伝わり落ちていった。
国王の宣言どおり、盛大な宴が催された。
一段高い段のテーブルには、国王が中央に鎮座し、同じテーブルには、大臣等の重鎮たちが囲んでいた。
国王のそばに勇者親子がいて、国王からの言葉にオルテガが応え、勇者がうなづいている様子が見える。
俺たちは、少し離れたテーブルで食事をしていた。
とはいえ、前回とは異なり、俺はセレンとテルルと離れている。
セレンは、父親である元冒険者サルファと一緒に話し込んでいた。
サルファはベストセラー「モンスターを食す」の印税収入があったと思うが、モンスターがいなくなれば、売り上げは落ちるだろう。
現在、彼は冒険者の養成学校の教官を務めており、生活に困っている様子は感じられないので、問題はないとは思うが。
二人は、終始にこやかな笑顔で会話を続けていた。
アリアハンに存在すると言われる、セレンのファン達が遠くから眺めているようであるが、精悍な顔立ちで終始笑顔のサルファから発せられる威圧のような壁に阻まれ、誰もセレンに話しかけることができないようだった。
テルルも、父親であるキセノンと一緒に食事をしていた。
キセノンはアリアハンの商業ギルド長として、アリアハンの経済に関与できる立場にあった。
勇者への装備品の提供も含めて、本来であれば、勇者と同じテーブルに座っても問題ないのだが、娘とゆっくりと話をしたいということで、あえて少し離れた場所で話をしていた。
テーブルでは、キセノンが終始にこやかな表情でテルルに話しかけていた。
一方でテルルは、顔を赤くしたり、怒ったり、うつむいたりとなかなか忙しそうに表情を変化させていた。
同じテーブルでは、キセノン商会を支える幹部達が静かに食事していた。
その中には、以前養鶏場で話をした、ハリスが混じっている。
ハリスもまだ若い。
よほどキセノンに信頼されているなと感心した。
エレンズ先輩も、もし独立していなかったら、一緒のテーブルにいたのだろうか。
彼女は、未だにエレンズバーグで捕らえられているのだろうか。
ゲームの進行上、バラモスを倒した後ならば、仲間に戻ってくるのだが。
本来であれば、最後に一言あいさつしたかったが、もうできないだろう。
俺はすこしだけたそがれていると、ハリスがこちらを見ていた。
さわやかな笑顔の中に、すこしだけニヤニヤとした表情をしている。
どうやら、こちらに来いということだろう。
だが、断る。
俺は、ひとりゆっくりと食事をしていた。
父親は、近衛兵として城内の警備にあたっており、母親は王や勇者のそばのテーブルで同僚達と話をしていた。
ときどき、俺の父親の知り合いが肩をたたいて労をねぎらってくれたり、母親と同じ職
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