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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第8章 そして、伝説へ・・・
第参話 宴のあと
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無事に、魔王バラモスを倒した俺たちは、アリアハンの街の前に戻っていた。
これは、精霊ルビスの力なのか、彼女に仕えていた妖精の力なのか。
そういえば、ゲームではこの時点では、精霊ルビスは捕らわれたままだった。
となると、妖精さんの力か、すごいな妖精さん。
ひょっとして、下手に怒らせたら雷を落としてくるとか?

い、いや、そんなことはないだろう。
俺は慌てて首を左右にふる。

少し落ち着いてきたので、周囲を見渡す。
バラモスを倒した影響なのか、周囲にはモンスターが登場する気配が見えない。
突然のことだったのか、周囲を見渡しても不死鳥ラーミアの姿は見えない。

バラモスが倒された現在、世界の状況も知りたい所ではあるが、優先順位はアリアハンである。
俺は、先頭にたって、街へ向かう。



俺たちの姿を見つけると、街の人々が騒ぎ出す。
「おお、サルファが帰ってきたぞ!」
「勇者だ!勇者が魔王バラモスを倒して戻ってきた!」
「わーい!わーい!」
「これで・・・・・・、これで平和がやってくるのじゃな・・・・・・」
「おつかれさま・・・・・・。そして、ありがとうサルファさん!」
勇者は、もみくちゃにされていた。

俺は、その姿を見ながら、どうしてアリアハンの住民が魔王を倒したことを知っているのか疑問に思っている。
だが、住民の喜びの顔を見ると、そんなことはどうでもよくなってきた。



ようやく、勇者が解放された後も、
「さすがオルテガの息子!
若き英雄の誕生だ!」
「魔王バラモスを倒してしまうとは・・・・・・。
そなたこそ、まことの勇者じゃ」
賞賛の声がとぎれることはなかった。


俺たちは、アリアハンの城にたどりついた。
城内でも、同様の賞賛の声が聞かれたが、
「これでまたアリアハンの名が世界にとどろくだろう!
めでたい!実にめでたい!」
大臣は、野心に目覚めたようだ。
それくらいなら、問題ないが、世界統一を目指しかつての栄光を取り戻すつもりならやめた方がいい。
もう、あのころには戻れないのだから。

俺たちは、王の前に膝をつくと、王からの声がかかる。
「おお、サルファよ!
よくぞ魔王バラモスを打ち倒した!」
王は勇者にねぎらいの声をかける。
「さすが、オルテガの息子!
国中の者がサルファをたたえるだろう」
勇者は、少し困惑の表情を見せたが、何も言わなかった。
「さあ、みなのもの!祝いのうたげじゃ!」
俺たちは立ち上がり、振り返る。


一斉に鳴り響く、ファンファーレ。
その奏者の一人に、父親がいた。
俺と視線が逢うと、父親はウインクで応える。
父親は満面の笑顔で、演奏していた。

ああ、そうだ。
この笑顔を見るために、この笑顔を守るために、俺
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