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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
夢の終わり 〜IN YOUR DREAM〜
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ってるんですかヤミ!?リインも残滓です!今更そんな同情なんて・・・!」
噛みつくように食って掛かったリインを手で制したヤミは、堕天使の様な翼を緩やかに崩壊させながらも告げる。
「そうではない。気付かないか、ツヴァイ?・・・お前には崩壊の兆しが未だ出ていない。それはお前が”この世界に存在しなかったから”だ。存在しないものが現世に現れても、世界は”新たな因子”としてそれを受け入れる。お前だけは・・・例え残滓の身体でも、新たな主と契約すれば生き残れる。矛盾は起きない」
「・・・なんですか、それ・・・今更・・・今更そんな事を言われたって!!皆のいない世界で生きろって言うんですか!?」
いつも優しかった”機動六課の総隊長である八神はやて”はこの世界に存在しない。
”共に働いたヴォルケンリッタ−”は、たった今自分の後ろで崩壊しようとしている。
生意気で手間のかかる部下たちも、同僚も、ここに”リインの知ってる皆”は一人たりとも存在しない。そんな世界は、彼女にとって地獄だ。
「そんなの私の知ってる世界じゃない・・・!そんな世界で生きていくなんて嫌です!!そんなふうに生き残る位なら、私もみんなと一緒に消えます!!あの何もない世界に戻ります!!」
リイフォース・ツヴァイは泣いていた。泣きながら、自分も死ぬと本気でそう言った。さながら時の迷い子、時間に見放された迷子だった。
そんなツヴァイを暖かい目線で見送る残滓の騎士たちは、駄々っ子のように叫ぶツヴァイの小さな体をそっと抱いた。既に残滓の騎士とヤミの身体は4割以上が崩れ去っており、リインに添えられたその掌も、少しずつ崩れ始めていた。それでも騎士たちは微笑みを崩すことは無い。
「リイン、お前はそう言うが、お前が生まれたときだってこの世界にお前の知っている存在はいなかった。スタートはあの時と一緒なのだ」
「オメーは生きろ。生きて学んで踏ん張って、”前の世界”のはやてに見せても恥ずかしくねえ立派な騎士になれ。補佐官だろ?副隊長の指示には従っとけ」
「元々お前は他のヴォルケンリッターに比べて未熟だ。あちらに帰るならば、この世界で一人前になってから来ればいい」
「皆・・・!皆ズルイです!!ちょっとリインより年上だからって・・・!みんな、みんな・・・嫌です!みんなと一緒がいいのにぃ・・・えぐっ・・・どうしてリインを置いて・・・行っちゃうんですかぁ・・・・・・独りに・・・しないでぐだざいよ゛ぉ・・・っ!!」
力のこもらないツヴァイの拳が三人の添えた手を叩く。だが、どれだけ叫んでも皆は困ったように微笑むばかりで―――最期まで言葉を訂正することは無かった。
「主はやて・・・何も言わなくてよろしいのですか?」
ただ一人、その場に残されて一人嗚咽を漏らすリイン
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